■『DB』後に描かれたゆるギャグ漫画『ネコマジン』
最後に紹介するのは鳥山明氏の『ネコマジン』。鳥山氏といえば『Dr.スランプ』、『ドラゴンボール』が有名だが、本作はその連載終了後、1999年から2004年にかけて『週刊少年ジャンプ』『月刊少年ジャンプ』で不定期連載された作品になる。読者の多い雑誌のため“隠れた”とまではいかないかもしれないが、あえて取り上げたい。なぜならこの漫画が面白すぎるから。
作風は『Dr.スランプ』や初期『ドラゴンボール』のようなほのぼのギャグ路線で、主人公のネコマジンがとにかくかわいいやつ。そもそもネコマジンが何なのか。
漫画内では「ネコマジンとはちょっとだけ魔法が使えるネコのようななにものかである。現在世界中で28のネコマジンが確認されている。その生態は不明であるが、ほとんどはイナカでのんきに明るく暮らしているようだ」と解説されている。
作中にはネコマジン(ミックス)、ネコマジンみけ、ネコマジンZの3人のエピソードが収録され、ちょっとだけ使える魔法とデタラメな強さで人助けを頑張ったり、悪魔をやっつけたり、友だちのためにあれやこれやとがんばったりする様子が小気味いいテンポで展開し、鳥山氏お得意のゆるいギャグが読み進むほどにクセになっていく。もちろん猫好きでなくても全然オッケーなお話だ。
個人的に特にお気に入りなのが、ネコマジンZのエピソード。名前でピンときた方は多いと思うが、ネコマジンZは『ドラゴンボールZ』のネタがあちこちに放り込まれたパロディエピソードにもなっている。オニオというサイヤ人やフリーザの弟クリーザが登場したり、ベジータがいじられまくっていたりと、同作ファンなら楽しさが倍増することは間違いない。ちなみに、ネコマジンZはネコマジンの中で最強らしく、スーパーネコマジンになった彼には、超サイヤ人になったベジータもてんでかなわない強さを誇っていた。
今回取り上げた3作。いずれの作品も作者的には終えた物語なのかもしれないが、先が気になる終わり方なのも確かである。いつの日かまた続きが読める日が来ることを願っていたい。