■「あーあ! 人生が5回ぐらいあったらなあ!」
最後は胸がキュンとする恋愛シーンのセリフから。
物語序盤から登場している一護のクラスメイトである井上織姫。彼女はほんわかした雰囲気と意志の強さが魅力的なキャラクターだ。そんな彼女は27巻で、仲間を守るために敵である破面(アランカル)の元に行ってしまう。別れの前に、最後のあいさつとして自身をかばって大ケガを負った一護の寝顔を見ながら発したのが、「あーあ! 人生が5回ぐらいあったらなあ! そしたらあたし5回とも違う町に生まれて 5回とも違うものおなかいっぱい食べて 5回とも違う仕事して… それで5回とも… 同じ人を好きになる」というセリフだ。
天真爛漫なギャグテイストのイラストの表情から、最後には胸がギュッとなるような優しい笑顔で一護への愛を語る織姫のけなげさに多くの読者が胸を打たれたはず。また一護の寝顔にキスをしようとしながらも、泣きながら「やっぱりできないや」と笑い、そっと姿を消すさまも泣けてくる。最終回では無事一護と結ばれた織姫の姿を見て、このシーンの切なさを思い出した人も少なくはないだろう。
このほかにも、反語や何度も強調する言い方、比喩を使った表現などで、さまざまな「かっこよさ」を表現する『BLEACH』の名言の数々。中でも特に悪役キャラのセリフ回しには、読んでいるこちらが絶望するようなゾッとする魅力がある。
また、実際にこれらの名セリフを声に出して読んでみると分かるが、どのセリフもリズム感があって覚えやすいものが多い。どれも日常生活では到底使えそうもないが、ふと声に出したくなる言葉ばかり。あなたのナンバーワン名セリフはなんですか?