■「あまり強い言葉を遣うなよ 弱く見えるぞ」
続いては、何者かに殺されたと思われていた護廷十三隊の五番隊隊長・藍染惣右介が再登場し本性を現した際の言葉。
裏切り発覚後に相対した十番隊隊長の日番谷冬獅郎が「藍染、俺はてめえを…殺す」と言ったときに、藍染が口元に笑みをたたえながら返した「あまり強い言葉を遣うなよ 弱く見えるぞ」という言葉はあまりにも有名だ。
絶対に相手に負けないという余裕があるからこそ発されたこのセリフに、熱くなって乱暴な言葉を使うのはダサいのだと実感した人も少なくないはず。それにしてもこのときの藍染の目がまったく笑っておらず、セリフの影響も相まって、この時点で藍染という敵が今後主人公サイドを脅かすかなりの強キャラであることを察した読者も多かったことだろう。
また藍染といえば「憧れは理解から最も遠い感情だよ」というのもかなりシビれる名セリフ。これは「あまり強い言葉を遣うなよ」のやりとりの直前に日番谷と交わされた会話で、藍染の部下であり彼に思慕の情を抱いていた雛森桃のことを表したセリフだ。
「恋は盲目」という言葉があるが、考えてみると確かにそうだと納得してしまう小粋なセリフ。しかしこのセリフを言われた日番谷は雛森と幼なじみであり、また藍染は雛森の好意を利用し日番谷と同士討ちさせようとしたり、雛森を刺して瀕死の重傷を負わせていることから、藍染が冷酷無比な人物であることをうまく読者に印象づけたシーンとなっている。