■『有言実行三姉妹シュシュトリアン』シュシュトリアンとウルトラマン
円谷作品と東映作品はめったに共演しておらず、そのため特撮ファンの間では1993年に制作された『ウルトラマンVS仮面ライダー』が特別視されているが、実は東映の『シュシュトリアン』にもウルトラマンが出演していたことは、意外と知られていない。
第40話「ウルトラマンに逢いたい」でウルトラマンとの共演を果たしたシュシュトリアン。93年といえば『五星戦隊ダイレンジャー』や『特捜ロボジャンパーソン』が放送されていた時期になる。それらの王道特撮ヒーローを差し置いて『シュシュトリアン』というのは、かなり衝撃的であった。
物語は、次女・山吹月子が流れ星に向かって「ウルトラマンに会いたい」と祈ったことで、翌日ウルトラマンだけではなく、円谷の倉庫にあった怪獣の着ぐるみたちにも命が吹き込まれ、バルタン星人やエレキング、ガラモンなどが町で暴れ回るというもの。最後はバルタン星人の前にウルトラマンが現れ、巨大化したシュシュトリアンとともにやっつけるという展開だ。円谷プロダクションが映ったり、ハヤタ隊員役の黒部進氏が出演したり、戦闘シーンでは「ウルトラマンの歌」がBGMとして使われたりなど、円谷と東映の会社の枠を越えた夢の共演となったエピソード。
ちなみに月子を演じた石橋けいはその後、『ウルトラマンティガ』においてもシンジョウ・マユミ役として準レギュラー出演し、その後も何作かの「ウルトラマン」シリーズに出演しており、実際に「ウルトラマンに会いたい」という願いをかなえているのがすごいところだ。