ゲゲゲの鬼太郎と悪魔くん、ウルトラマンとシュシュトリアン「意外と知らない!?」夢の実写共演作(1)の画像
『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪奇伝・魔笛 エロイムエッサイム』DVDより
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 ゲームでいえば昨年30周年を迎えた『スーパーロボット大戦』シリーズなど、さまざまな作品のキャラクターが作品の垣根を越えて共演を果たす「クロスオーバー」企画が定期的に行われている。

 テレビ番組や映画でも仮面ライダーやスーパー戦隊、ウルトラマンといった、同じシリーズのヒーローたちがともに戦う展開が最近の定番となっているが、数十年前ならイベント映像やヒーローショーぐらいでしか目にできず、大変貴重な企画だった。

 そこで今回は作品を越えて共演を果たし視聴者を驚かせた、異質すぎた実写作品をいくつか紹介したい。

■『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪奇伝・魔笛 エロイムエッサイム』鬼太郎と悪魔くん

 まずは1987年に実写映像化された『ゲゲゲの鬼太郎』から鬼太郎と悪魔くんの共演作。

 映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』や新テレビアニメ『悪魔くん』の放送など、3月で生誕100周年を迎える水木しげる氏にちなみ、水木作品の新作企画が続々と発表されている2022年。7月からは東京・明治座で舞台『ゲゲゲの鬼太郎』の上演も行われるが、そろそろ再実写化の企画も期待できるかもしれない。

『ゲゲゲの鬼太郎』の実写版というと、2007年と2008年に公開されたウエンツ瑛士が鬼太郎役を務めた映画版を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。だが、実は初めての実写版『鬼太郎』は、『一休さん』や『タッチ』といった漫画の実写化に意欲的だったフジテレビ系のテレビドラマ枠『月曜ドラマランド』で1985年に放送されたスペシャルドラマだった。

 竹中直人や由利徹らが出演したこのドラマは、もともと「東映不思議コメディ」シリーズ『TVオバケてれもんじゃ』の後番組として企画されていたゲゲゲ鬼太郎の特撮ドラマ企画から派生したもの。1986年には『悪魔くん』も同じ月曜ドラマランド内で放送されているが、その最終作としてビデオ作品として作られたのが『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪奇伝・魔笛 エロイムエッサイム』だった。

 鬼太郎と悪魔くんは水木氏による読み切り「鬼太郎対悪魔くん」で戦っているが、アニメを含む映像化されたものの中では顔を合わせることがなかったため、今作で初共演を果たしたことになる。

 物語は鬼太郎の元に親友の悪魔くんから手紙が届き、ミイラ人間になって行方不明になってしまった担任の先生を助けに向かうというもの。鬼太郎と悪魔くんに加えて、ねずみ男やメフィストなどもクロスオーバーして登場する夢の共演作ではあるが、ミイラ化する先生やバラバラにした人間を鍋にして食べるシーンなど、今の子どもたちが見たらトラウマになりそうな演出も多い。ビデオ作品だからできたのだろう……。

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