■「ネット流行語」を総ナメにした『ウマ娘』の泣き回

 続いては、1月から3月までアニメのSeason 2が放送された『ウマ娘 プリティーダービー』。実在の競走馬を擬人化した「ウマ娘」というキャラクターの成長を描いた物語で、2期ではトウカイテイオーやメジロマックイーンらを中心とした活躍が描かれた。

 2期アニメでの神回は、特殊EDが採用された第7話「祝福の名前」と、続く第8話「ささやかな祈り」。

 これは臆病で弱気なウマ娘のライスシャワーを中心としたエピソード。ライスシャワーは菊花賞でミホノブルボンを制し勝利していた。だがこのレースでミホノブルボンの無敗三冠を期待していた観客からブーイングを受けてしまい、ライスシャワーは「もう走らない」と言い出してしまう。その後、ミホノブルボンらの説得から「ヒール(悪役)」ではなく「ヒーロー」として走ることを決意したライスシャワーが、見事な走りでメジロマックイーンの三連覇を阻むというエピソードだ。

 ライスシャワーを主人公にした特殊EDや、2012年に放送されたJRAのテレビCM「The WINNER」での天皇賞(春)のライスシャワーを語ったナレーション「ヒールか、ヒーローか、悪夢か、奇跡か」を思わせる脚本など、ライスシャワーファンなら感動必至の展開。アニメ配信後には「神回」「泣いた」といった声がSNSに上がった。

 2月24日からはアプリゲームもリリースされ大人気になった『ウマ娘』。12月1日に発表された今年ネットで最も流行った単語を表彰する企画「ネット流行語100」では「ウマ娘 プリティーダービー」が年間大賞に輝いた。キャラクターの「ゴールドシップ」「ライスシャワー」「トウカイテイオー」「アグネスタキオン」「ツインターボ」「メジロマックイーン」「オグリキャップ」「駿川たづな」「サイレンススズカ」「シンボリルドルフ」「スペシャルウィーク」「ダイワスカーレット」「ハルウララ」「キタサンブラック」「ナイスネイチャ」も100位以内に入り、主題歌の「うまぴょい伝説」やスピンオフ漫画の「ウマ娘 シンデレラグレイ」もランクインしていた。

  1. 1
  2. 2
  3. 3