2021年もまもなく終わりを迎えようとしている。2021年は、これまでに放送されていたアニメの続編となる作品の放送に加え、新たなヒットシリーズも多く生まれた1年だったように思う。また『SLAM DUNK』のアニメ映画化、『BLEACH』のアニメ最終章「千年血戦篇」の放送決定など、2022年以降が楽しみになる発表も多く、アニメニュースが話題を席巻した。
そこで今回は、今年「バズった」アニメから名シーンをいくつか選出して紹介。アニメ自体を見ていなくても、該当シーンやセリフは誰でも聞いたことがあるというような2021年を代表する作品を通して、今年のアニメを振り返ってみたい。
■早朝から毎回トレンド入りした『モルカー』
まずは1月から3月まで『きんだーてれび』(テレビ東京系)内で放送されていた『PUI PUI モルカー』。羊毛フェルトで作られたモルモットの車「モルカー」が大活躍するストップモーションアニメだ。
このアニメのすごいところは、1話たった2分40秒という短尺にも変わらず、モルカーの個性とかわいらしさが余すところなく描かれている点。回によって主人公が異なるオムニバス形式をとっており、特に「バズった」のは第6話。キャラクターの一匹である「シロモ」がゾンビに噛まれたことでゾンビ化し、その後も数話にわたってゾンビのまま登場していたところだ。元の姿に戻っていないシロモを心配して、放送後には毎週「ゾンビシロモ」というワードがツイッターでトレンド入りを果たしていた。
なお、11話の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』をオマージュしたと思われるタイムパラドックス現象にて、シロモがゾンビに噛まれることを免れ、ゾンビにならずにすんだという展開が描かれたが、意外な伏線の回収に驚いたファンも多かったようだ。
『モルカー』人気は意外な業界にも広がっており、小説家の綾辻行人氏やその妻である小野不由美氏も大ハマり。小野氏はモルカーを羊毛フェルトで手作りするほどのようで、そもそも、綾辻氏が『モルカー』にハマった理由も小説家の法月綸太郎氏に薦められたからだというのも驚きだ。