■「ペヤング半分コ」
続いては、アニメで最高潮の盛り上がりを見せた「血のハロウィン」から、壱番隊隊長だった場地圭介と副隊長の松野千冬。
トーマン創設メンバーの一人である場地は、トーマンと仲間たちを守るため、誰にも決意を明かすことなく敵対組織である「芭流覇羅(バルハラ)」に入隊する。入隊の際、場地は踏み絵と称して一番の部下である千冬をボコボコにするが、千冬本人は、それでも場地には考えがあるはずと信じて疑わなかった。千冬の忠犬っぷりには思わず同情してしまう。
彼らが出会ったのは、千冬が中学1年のころ(場地は留年し、千冬と同学年)。千冬が暴走族「男打羅(マンダラ)」20人に襲われたところを場地が助けたことがきっかけだ。彼らはその日場地の家でひとつしかないペヤングを半分こして食べあったが、これが作中での有名なセリフ「ペヤング半分コ」の始まりである。
『東京リベンジャーズ』の公式ツイッターアカウントは2021年9月5日に「あの日のペヤング」と題してこのときの詳細を明かした。そこでは「千冬『最後、ソースでベチョベチョになったかやくが美味いんすよね!』場地『テメっ、なに2口目いこーとしてんだよ! 1口ずつって約束だろーが!』」といったやりとりがあったことが描き下ろしイラストとともに紹介されており、このツイートはファンの涙を誘い5.9万リツイートを集めた。
アニメより先の話になってしまうが、コミックス10巻で武道が自身がタイムリーパーであることを千冬に明かした日、2人は1つのラーメンを分け合っている。その際武道が残りを全部食べてしまったことから、千冬は「一口食ったら普通返すだろ!!?」と怒っているが、これはあの日のペヤングのやりとりがあったためだと思われる。
どんなときでも場地のマインドを引き継ぐ千冬のけなげさに、ふたりの間の絆の強さを感じずにはいられない。