■引きつけられるキャラ同士の熱い関係性
そして『東リベ』最大のヒットの理由は、キャラクターたちの関係性の濃密さだろう。それぞれの組織は「○番隊」と分かれており、中でも隊長と副隊長の絆はとても深いものとして描かれている。
アニメで最も大きな事件となった「血のハロウィン」で描かれた、壱番隊隊長の場地圭介と副隊長の松野千冬の信頼関係はその際たる例。「東京卍會」を裏切る場地に対して、彼には何か思惑があるはずだと信じてやまない千冬のけなげな姿や、本当は仲間を守るために１人きりで二重スパイとなって行動していた場地の姿には多くのファンが涙した。
まだアニメでは放送されていない箇所でも、「黒龍」の乾青宗（イヌピー）と九井一（ココ）の関係性や、佐野万次郎（マイキー）の兄である黒川イザナと彼に付き従う鶴蝶の関係などは、友情以上の深い絆を感じさせる。愛憎が渦巻き、それぞれの思惑が見え隠れする複雑な人間関係は、作中で描かれている以上の背景を読者に想像させる。
当然、人気キャラクターであるマイキーと龍宮寺堅（ドラケン）の息の合ったコンビネーションも、そのあまりのツーカーっぶりが見ていて気持ちがいい。
今年は北村匠海主演での実写映画化や、２.５次元での舞台化もされ、ますます新たなファン層を増やしている同作。本誌での連載は佳境を迎えているので、今すぐこのブームの波に乗ってみては？
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