『週刊少年マガジン』(講談社)で連載中の和久井健氏による大人気漫画『東京卍リベンジャーズ(略称:東リベ)』。その公式ツイッターアカウントのフォロワー数は11月13日に80万人を突破。2021年4月期には『東京リベンジャーズ』のタイトルでアニメ化もされ、続きが気になるシリアスな展開で放送が終了したためか、現在もなお新規のファンを増やし続けている。
同作では主に暴走族同士の抗争が描かれており、大きなくくりでは「ヤンキー漫画」に分類されるが、女性読者からの支持が厚いのが特徴。11月17日に「マイナビティーンズラボ」が発表した、13歳から19歳の女性1176人を対象にしたアンケート調査「2021年ティーンが選ぶトレンドランキング」では「流行ったコト」部門で『東リベ』が堂々の1位に。ともすれば熱く泥臭いバトルシーンの多いヤンキー漫画は女子から敬遠されそうなものだが、なぜ同作はここまで女子からの支持を集めたのだろうか。
まずは、同作のドラマチックな物語性があげられるだろう。ストーリーは、さえないフリーターで主人公の花垣武道がかつての恋人の死をニュースで知り、タイムリープによってその死を回避しようと奮闘するところから始まる。武道は自身の行動で本来起こるはずの運命を変え、恋人や友人のために何度もタイムリープを繰り返す。
最近では2020年1月期にドラマ放送された漫画原作の『テセウスの船』もタイムリープものとして大きな人気を博した。こちらは過去の事件を未然に防ごうとするもので、物語全体に漂うサスペンスな雰囲気や謎要素が性別に関係なく大ウケした。『東リベ』も、続きの気になるSF要素やサスペンス要素が強く、ヤンキー漫画に不慣れな層にもとっかかりやすかったのではないだろうか。