■さらなる悲劇的なエピソードも…

 実は、これよりもはるか前に発表された『機動戦士Zガンダム』の前日譚にあたる外伝的な小説『フォウ・ストーリー そして、戦士に…』(KADOKAWA 著:遠藤明範)の中にも、ミハルの弟ジル・ラトキエが登場します。

 この作品ではミハルの妹・ミリーは誘拐されて行方が分からなくなり、弟のジルはフォウ・ムラサメのいるムラサメ研究所で強化人間にされ、実験中に死亡するという何とも後味の悪い結末となっています。

 どれが公式設定なのか、あるいは時系列的に『THE ORIGIN』で描かれたエピソードのあとに『フォウ・ストーリー』の悲劇が起こるのかは不明です。

 ただ、安彦氏がわざわざジルとミリーのその後を「放ってはおけない問題」と言及されていることからも、『THE ORIGIN』にあったように、セイラの財団に見守られながらジルとミリーは幸せに暮らしていてほしいというのが、多くのガンダムファンの切なる願いなのかもしれません。

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