■画面越しにも殺気が伝わる悪の仕草

 他にも魅力的な悪ライダーはたくさんいるのですが、今回は悪ライダーを紹介するのではなく、その悪ライダーを演じたスーツアクターさんについてお話しできたらなと思います。

 印象的だったのは「仮面ライダー王蛇」を演じた岡元次郎さん。岡元次郎さんは『仮面ライダーBLACK』『仮面ライダーBLACK RX』をはじめ、スーパー戦隊シリーズでも数々のヒーロー演じ、マスク越しでも伝わる表情と、大きな体から発せらる気迫と美しいアクションが魅力。魅了されたファンは数知れないと思います。

 そんな次郎さん(ファンの間では「次郎さん」呼び)が悪のライダーで、しかも凶悪なヤバい奴を演じました。ファンからしたら、歩くだけでも美しくカッコいいあの次郎さんが、悪を演じるというギャップにやられてしまいます。特にセリフを発することなく、ダルそうにこちらを見ているだけで怖いんです。「え、え、え、あの仮面ライダーBLACKの次郎さん??本当に凶悪犯がスーツアクターしてません?だ、だ、大丈夫ですか、と、と、東映さん??」となるほどです(笑)。画面越しなのに目があったら「あ、殺される……」って身震いしますよ。

 令和ライダーでは2019年スタートの『仮面ライダーゼロワン』からは「仮面ライダー滅(ほろび)」というカッコよくて手の動きがセクシーなズルい悪ライダーが登場します。

 この「仮面ライダー滅」を演じたのが、平成ライダーでは20作品中18作品の主役ライダーを演じた高岩成二さんで、この「仮面ライダー滅」が高岩さんにとって初の悪ライダーとしてのレギュラーです。高岩さんの悪ライダーは、次郎さんとはまた違った角度の恐怖を植えつけられました。すごくステキなんです。悪いのにステキだから近づきたくなるんだけど、殺気ヤバいぞ……みたいな(笑)。

 主役を食う勢いの存在感は高岩さんだからこそな気がしました。放送中に機会があり、ご本人に初の悪ライダーを演じている感想を聞いたところ「初の悪……楽しいぃー」と本当に楽しそうでした(笑)

 他にも「仮面ライダーエターナル」の渡辺淳さん、「仮面ライダーゲンム」「仮面ライダーアークワン」の縄田雄哉さん、「仮面ライダークロノス」の浅井宏輔さん、「仮面ライダーエボルト」の岡田和也さんなどたくさんいるんですが、この方たちのすごさについては、また違った角度でご紹介したいと考えていますので後ほど。

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