■最愛の女性の幸せを願う純粋な言葉

 全力を出し切り、ケンシロウに敗れたラオウ。「みせてくれ」「このラオウを倒した男の顔を」と近づいたラオウは、ケンシロウの顔に手を当て「フ…フフ、見事だ弟よ!!」と、義弟の実力を認めて称賛の言葉を贈る。

 そのとき仮死状態だったユリアが目を覚ますと、ラオウはケンシロウの背中を押し、ユリアの元へと導く。そしてラオウが仮死状態にする秘孔を突いたことで、ユリアの命が数年延命されたことを伝えると、ラオウは「残る余生、ケンシロウとふたり、静かに幸せに暮せい」と告げた。その後迎えたラオウの壮絶な最期は、ファンの間で語り継がれている伝説的なシーンでもある。

 最後にケンシロウのことを弟として認め、二人の幸せを願ったラオウの言葉は、愛に満ちあふれていた。


 作中では、ラオウ自身「愛を知らぬ」と言いながらも、とくに終盤はさまざまなカタチの愛情が見え隠れしていた。そのあたりに単なる極悪非道な悪役とは一線を画す、ラオウという漢が多くのファンを引きつける大きな魅力があるのだろう。

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