作曲家のすぎやまこういち氏(本名:椙山浩一)が9月30日、敗血症性ショックのため90歳で逝去された。すぎやま氏は歌謡曲からアニメソング、日本中央競馬会のファンファーレなどまで幅広い作曲活動を行い、国民的ゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズのほぼすべての楽曲も手がけたことでも知られる日本を代表する偉大な作曲家だ。
そんなすぎやま氏の訃報はゲーム業界に大きな衝撃を与え、関連サイトやSNSなどで多くのゲーム音楽関係者が追悼のコメントを発している。その悲しみのメッセージの一部をご紹介したい。
●堀井雄二氏(ゲームデザイナー。『ドラゴンクエスト』シリーズの生みの親)
「すぎやま先生がお亡くなりになりました。先生は35年間、ドラクエの世界に音楽という命を吹き込んできてくださいました。ドラクエは先生の音楽とともにありました。ゲームとともに、ユーザーの皆さんの心の中に、先生は生き続けるでしょう。すぎやま先生、長い間、本当にありがとうございました」
●鳥山明氏(漫画家。『ドラゴンクエスト』シリーズのキャラクターデザインを担当)
「すぎやま先生の訃報を聞き、驚いています。つい数年前にお会いした時の印象からもいい意味で、永遠の命を持つ魔法使いのように思っていました」
「ドラゴンクエストのイメージは、当時からゲームが大好きでいらした、すぎやま先生の素晴らしく印象的な数々の名曲によって決定付けられた。と言っても過言ではありません。長くご一緒に仕事をさせていただいて本当に光栄でした! 心よりご冥福をお祈りいたします」
●田中公平氏(作曲家。『サクラ大戦』シリーズ等の音楽を担当)
「色々な道を切り開いて、我々後進の音楽家の礎になってくれた偉大な作曲家でした。
慎んでお悔やみ申し上げます」
●古代祐三氏(作曲家。『イース』『ソーサリアン』等の音楽を担当)
「すぎやまこういち先生の逝去の報に接し、心からお悔やみ申し上げます。最近ずっと『コスモスに君と』を聞いていました。何度も涙を流しながら聞いていました。この世で一番美しい歌だと思っています。願わくばご本人にそう伝えたかったです」
●伊藤賢治氏(作曲家。『ロマンシング・サガ』シリーズ等の音楽を担当)
「今までに何度も『ゲーム音楽家を目指そうと思ったきっかけは?』というインタビューを受け、そのたび『学生の頃、友人の家でドラクエ3を友人達と遊び、その音楽に衝撃を受けて』と応えていました。以前、半熟英雄のサントラ制作でのスタジオでご挨拶させて頂きました。ありがとうございました…!」
●上松範康氏(作曲家。『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』等の音楽を担当)
「自分の曲よりも頭に残っているメロディ ファイナルファンタジーの作曲の仕事であまりにもドラクエっぽい曲を作りすぎて怒られたこともある 血肉を越えて魂にまで沁みているすぎやま先輩の音楽 三度のメシより生活の一部 それが35年ずっとだよ? 悲しみすら音楽で鳴ってるんだぜ? すごいよ」
もちろんSNSなどではゲーム業界以外からも、すぎやま氏を愛する多くの人々から追悼のメッセージが寄せられ、ツイッターでは「すぎやまこういちさん」がトレンド1位になるなど、関連ワードがトレンドを席巻。大きな悲しみに包まれている。