■“処理落ち”でロックマンが蜂の巣に!?

ステージやキャラデザがより洗練されていった『ロックマン3』

 ボスはおろか中ボスもかなりの難敵ぞろいで、最初はブルースの攻撃にも一苦労でしたが、ゲームの「処理落ち」もなかなか手強いものがあります。

『ロックマン3』はシリーズ中でも処理落ちが多いことで知られる作品で、画面内に表示される敵の数が多くなるとCPUの処理が追いつかず、ロックマンの動きがスローになってしまいます。それだけ敵や攻撃の数が多いということでもありますが、ひどいときには敵が点滅してしまい、画面を見ているのがつらくなるほど。

ワイリーステージではかなりの頻度で処理落ちが発生

 シューティングゲームなどではこの処理落ちが効果的に働き、難易度を下げてくれることもあります。レトロゲームの移植版ではあえて処理落ちまで再現するなんてこともあり、『ロックマン クラシックス コレクション』でも、処理落ちのありなしを切り替える機能が搭載されています。

 とはいえ、さほどアクションがうまくない私にとってはステージの即死ギミックや、手ごわい敵なんかよりも処理落ちがよほど大きな壁。ひたすらスローになったロックマンがゆっくりと攻撃を喰らいまくるという悲惨な状況を味わいました。

ハブスビィ。巣を落とす前に武器で倒すか、一旦戻りハブスビィを消すとラクに攻略できる

 特に処理落ちがひどく泣きそうになったのは、ハードマンステージ。このステージには、序盤から大きなハチのような姿をした「ハブスビィ」という敵が出てきます。ハブスビィは空中から大きなハチの巣を落とし、その巣から小さなハチを5体出現させます。この小さなハチたちはロックマンを追ってくるので、倒さないまま先に進んでしまうと、次にまた別のハブスビィに襲われます。画面上に表示される敵の数が多くなり過ぎてしまい、どんどん処理落ちがひどくなるという最悪の状況に。かといって、倒そうにも敵のサイズが小さいため、そう簡単には倒せずまさに蜂の巣状態に。ここは個人的に最大のイライラポイントでした。 

 ちなみに『ロックマン クラシックス コレクション』のキャラクターデータベースを見ると、ハブスビィの項目には「まともに相手すると、うざったい敵だ。」と書かれています。ええ、本当にいろんな意味でうざったい敵でした。

■スタッフロールに漫画家“村田雄介”の名前が

ファミコン版『ロックマン3』EDより、スタッフロールに村田雄介さんの名前が

 数々の難所を越えて無事にエンディングを迎えたとき、スタッフロールのスペシャルサンクスの欄に気になる名前が登場します。「YUHSUKE MURATA」。そう、『アイシールド21』や『ワンパンマン』で知られる漫画家の村田雄介さんです。 

『ロックマン3』発売当時、ボスキャラのデザインを一般公募する企画が行われていました。小学6年生だった村田さんもボスキャラのデザインを応募。残念ながら、そのデザインが採用されることはありませんでしたが、佳作に選ばれたことによりスタッフロールに名前が掲載されたのだそうです。

 村田さんは『ロックマン4』のボスキャラデザイン募集にも10枚以上のハガキを描き、最後に描いた「ダストマン」が採用。その後の『ロックマン5』でも、「クリスタルマン」が採用されています。子ども時代からこういった才能を見せつけていたとは、さすがとしか言えません。

 激ムズスポットの連続に加えて処理落ちという強敵も襲いかかる『ロックマン3』。発売から31年たっても面白さが色あせない、やりごたえ抜群の名作だと感じました。

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