富野由悠季氏が監督を務め、「リアルロボット」アニメの先駆けとも言われる『機動戦士ガンダム』。その劇中には物語のリアリティを高めるためか、軍事に関するさまざまな専門用語がさりげなく散りばめられていることをご存知だろうか。
そんな中から今回紹介したいのは劇場版『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』に登場する1シーン。ジャブローの連邦軍基地で、新しくホワイトベースに配属となったスレッガー・ロウ中尉が登場したときのセリフにある。
■経験豊富な職業軍人らしい「ひと言」
ホワイトベースのクルーの前に現れたスレッガー中尉は、ミライ・ヤシマを見て「俺もツイてきたな。こんなキレイな“ウエーブ”とご一緒できるなんて」と発言する。ミライに対する「キレイなウエーブ」という発言から、あまり深く考えずに女性の容姿を褒めている言葉と受け取った人もいるのではないだろうか。
「ウエーブ」は“波”を意味する英単語で、女性に対する「キレイ」という言葉があるので、これが専門用語だと気づかなかった人もいるようだ。そもそもミライのあの髪型を指して「キレイなウエーブ」という表現はあまり使わないだろう。
実は劇場版『哀・戦士編』には、これより前にも同様の「ウエーブ」の発言が出てくる。それはランバ・ラルの部下コズンがホワイトベースの捕虜になったときのこと。尋問を行っているブライトの様子を覗きに来たミライを見て、コズンは「また……若すぎる“ウエーブ”かよ」とあきれたように言い放っていた。