■実在する軍隊における呼称

 実は、この「ウエーブ」を文字にすると「WAVE(S)」となり、海軍・海兵隊での“女性兵士”を指す用語だ。かつて軍隊は男の職業だったが、第二次世界大戦中にアメリカを始めとする各国で女性兵士の部隊創設が進められるようになる。

 そのアメリカ海軍で、海軍婦人義勇部隊(Women's Accepted for Volunteer Emergency Service)が組織され、その略称の「WAVES(ウエーブス)」が女性兵士を意味する言葉になったのだ。

■所属や国によって呼び方が異なる

 とはいえ同じ女性兵士でも、すべてが「ウエーブ」ではないことに注意が必要だ。アメリカ陸軍では婦人陸軍部隊(Women's Army Corps)が作られ、こちらの略称は「WAC(ワック)」。戦後には空軍にも空軍婦人部隊(Women's Air Force)ができて、「WAF(ワッフ)」と呼ばれるようになった。ちなみにこの呼び方は日本の自衛隊でも使われていて、基地祭のイベントなどで耳にすることがある。

 またイギリス海軍では王立婦人海軍(Women's Royal Naval Service:WRNS)なので、「ウエーブ」は世界共通の用語というワケではない。余談になるが近年はジェンダー問題に配慮してか、先進国では女性専門の部隊は設置されなくなってきており、こうした女性兵士の呼称も使いにくくなっているという。

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