■バスケ人口増加につながったスラムダンク

 そして、第1位となったのはバスケットボール。20.0%もの票を集めた。

 バスケを始めた理由として圧倒的に多かったのが、『SLAM DUNK』(集英社)に影響を受けたというコメント。同作は、1990年から1996年まで連載された井上雄彦氏によるバスケ漫画の金字塔で、高校バスケ部にズブの素人として入部した主人公・桜木花道が仲間たちとともにインターハイ優勝を目指す物語。実際に漫画の影響でバスケの競技人口が増えたという統計もあり、日本バスケットボール協会の発表によると、1990年の段階で81万人だった競技者数登録人数が、スラムダンク連載終了時の1996年には100万人を超えている。

 スポーツ漫画のセオリー通り、主人公チームはインターハイで優勝するかと思いきや、2回戦目の強豪校・山王工業に勝利した後、あっさりと敗退してしまうという衝撃の最終回が話題となった同作。その人気は連載終了から25年がたった今でも衰え知らずで、今年8月には、2022年に新作アニメ映画が公開されることが発表されるとたちまちSNSでトレンド入りを果たした。

 それまでバスケ漫画はヒット作がなかったが、スラダン以降各雑誌でバスケをテーマとした作品が生まれ続け、アンケートでは『黒子のバスケ』(集英社)、『Harlem Beat』(講談社)、『あひるの空』(講談社)がきっかけだという声も寄せられた。

 全体で見ると、何らかの漫画作品をきっかけにスポーツを始めたという経験がある人は65.3%にものぼり、今回のアンケートでは4位以下にも柔道に空手に自転車にボクシングなどなど、影響を受けて競技を始めたさまざまなスポーツ漫画のタイトルが寄せられた。未来の英雄を生み出すのは人気漫画かも?

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