■アムロが見せた「怒りの理由」
連邦軍司令部から戦死者であるリュウ・ホセイに与えられた「二階級特進」の辞令。なぜアムロは、あれほどの怒りをあらわにしたのだろうか?
何の感慨もなく淡々と辞令を読み上げた士官の態度にイラだったのかもしれないが、いくら階級が上がったところで死んでしまった本人はその恩恵にあずかることはできない。そのやるせなさが怒りに変わったとしても不思議ではない。
そもそも階級が上がったことで得られる恩給や年金は、受け取る遺族がいなければ誰も得をしない。劇中の描写を見るにリュウに家族がいるとは思えず、ただ死亡時の階級が記録として残るだけ。これだと政府や軍の懐はまったく痛まない。
いかに言葉上で「名誉の戦死」と称えたところで、リュウに助けられたアムロにしてみれば納得しがたいところである。