コナミのファミコンソフト『ハイパーオリンピック』で五輪ロス解消? 世界記録樹立のために試行錯誤した懐かしき記憶の画像
ファミコン版『ハイパーオリンピック』(編集部撮影)
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 日本にとって過去最多となるメダル獲得に沸いた東京五輪は、8月8日に閉幕。コロナ禍のオリンピックということで異例づくしの開催だったが、世界を代表するアスリートたちによる17日間の熱戦は世界中に大きな感動を与えてくれた。

 そしてあの興奮が脳裏に焼きつき、なんとなく喪失感を覚えている“五輪ロス”の人も多いのではないだろうか。とはいえ今は集まって感動を分かち合うのもはばかられる状況下にある。そんなとき五輪で思い出したのがファミコン世代の我々にピッタリな懐かしのゲーム『ハイパーオリンピック』(コナミ)のことだ。

ファミコン版『ハイパーオリンピック』タイトル画面

 1983年にゲームセンターに登場した『ハイパーオリンピック』は、ひたすらボタンを連打しまくるシンプルなゲーム性で人気に。ゲームのうまさ以上に連打力が求められる内容は、まるで本物のスポーツ競技のような“ストイックさ”があった。そのタイトルが85年にファミコンに移植され、ファミコン版には連打に特化した専用コントローラー「ハイパーショット」が付属していたことを覚えているだろうか。

「RUN」と「JUMP」2つのボタンをいかにすばやく連打し、かつタイミングよく押せるかがハイスコアと新記録を出す秘訣。プレイヤーの“連打力”がキャラクターの走る速度に直結するだけに、実際の競技さながらにさまざまな連打テクニックが編み出されていった。

■「けいれん」「こすり」「ピアノ打ち」とは?

 ファミコン時代のボタン連打テクニックとして、真っ先に思い浮かぶのが高橋名人の「16連射」という人も多いだろう。高橋名人の連射はいわゆる「けいれん」タイプの連打方法で、腕や指の筋肉に力を込めることで生じる“震え”をボタンに伝えて連打する技術だ。

 ただ、この連打方法を多用するとプレイヤー自身のスタミナが削られ、慣れないうちは100メートル走を1回やるだけでヘトヘトになるという欠点も……。また連打に集中しすぎてタイミングよく「JUMP」ボタンを押すのが難しく、ハードル走や走り幅跳びなどの競技では使いこなせないという人もいる。

ワールドレコードを超えるのに夢中に!

 そこで編み出された2つ目の技が、より疲労度の少ない「こすり」タイプの連打だ。指の爪などでボタンの上をこするように弾いて連打する方法で、「けいれん」よりも疲れにくく、連打回数も手軽に伸ばしやすい。しかも空いた指で「JUMP」ボタンを押しやすいため、どの競技にも使いやすかった。

 しかし、ボタンをこすりすぎて爪が割れたり、指を負傷する危険があるうえ、激しい摩擦でコントローラーを痛める可能性も高いリスキーな技だった。

 そして3つ目が「ピアノ連打」と呼ばれる技。人差し指と中指を用いて交互に「RUN」ボタンを押す様子が“ピアノの早弾き”のように見えることが由来となっている。2本の指を使った連打は1本より速さを出しやすく、比較的「JUMP」ボタンも押しやすいのが大きなメリット。とくにハードル競技で圧倒的な威力を発揮し、連射力を磨けばあらゆる競技に活用できるオールマイティーさを兼ね備えていた。

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