現在公開中の映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、8月2日の段階で興行収入20億円を突破。歴代ガンダムシリーズで最高の興行収入を記録した『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』(1982年公開)の興行収入23億円にも迫る勢いだ。
『閃光のハサウェイ』の主人公ハサウェイ・ノアは、当時13歳だった『逆襲のシャア』の時点でニュータイプとしての片鱗を見せていた。宇宙世紀のガンダム作品には、彼のようなニュータイプが何人も登場するが、そのほとんどがモビルスーツのパイロットである。
しかし、作品を見ているとモビルスーツ乗り以外にもニュータイプの素養が感じられる人物も存在。本記事では、映像作品で「ニュータイプらしき場面」が描かれていた、パイロット以外のキャラクターに焦点を当てて振り返ってみたい。
なお、宇宙世紀のガンダム作品以外にも“ニュータイプ”が登場する作品はあるが、少々設定が異なっていたりもする。そのため、今回は宇宙世紀シリーズのガンダム作品に限定して、気になるニュータイプ候補をピックアップさせていただいた。
■アムロより早く能力開花?
『機動戦士ガンダム』のホワイトベースのクルーの中で、ニュータイプらしき素養を見せていたのがミライ・ヤシマだ。艦長のブライト・ノアと結婚後、『閃光のハサウェイ』の主人公ハサウェイを生んだ女性である。
『機動戦士ガンダム』の第24話「追撃!トリプル・ドム」のエピソードでは、ミライがホワイトベースの指揮代行を担当。そのときミデアで出撃しようとするマチルダ・アジャンに、ミライは「少し間に合わないかもしれない……」と謎めいた言葉をつぶやく。
マチルダがその理由を問うと「理由はありません。そう思えるんです」とあいまいに返答。すると突然ミライは何かを察したかのように、ハッとした表情でマチルダの顔を意味深に見つめる場面があった。
このあとミデアで出撃したマチルダは壮絶な戦死。まるでミライは前述の段階でマチルダの死を察知していたようにも思える場面だった。その後もミライは、予知したかのような発言を行うシーンがあり、ブライトはミライやセイラを指して「ニュータイプに近い」と発言している。
ちなみにアムロがニュータイプとして本格的に覚醒しはじめるのは、宇宙に上がってからのことなので、ミライのほうがいち早くニュータイプとしての素養を発現していたのかもしれない。