『金田一少年の事件簿』“2大天才”金田一と明智警視が信頼した“平凡なオッサン”剣持警部の「不思議な魅力」の画像
画像は『金田一少年の事件簿 剣持警部の殺人』(講談社)書影より引用

金田一少年の事件簿』は『週刊少年マガジン』(講談社)で人気を博した推理漫画。名探偵・金田一耕助を祖父に持つ高校生・金田一一(きんだいちはじめ)が祖父譲りの推理力で難事件を解決していくというストーリーで人気を博した。同作はアニメだけでなく、何度も実写ドラマになっており、知性派キャラの華麗な推理にワクワクさせられたファンも多いことだろう。

 IQ180の頭脳を誇る主人公・金田一は言うまでもなく魅力的なキャラクターだが、彼の良き理解者である“剣持のオッサン”こと、剣持勇警部も味のある人物である。まだ高校生の金田一の推理能力をいち早く認め、年齢や立場の差を気にせずに全幅の信頼を置いた剣持警部。そんな剣持警部と金田一の不思議なパートナー関係や、彼の魅力について紹介していこう。

■最初に描かれた事件で早くも登場

 剣持警部は、同作の一番最初のエピソード「オペラ座館殺人事件」で初登場。主人公の金田一、ヒロインの七瀬美雪に続いて描かれた主要キャラクターの1人だ。

 このエピソードでは美雪が所属する演劇部の合宿中に起こった連続殺人を中心に物語が展開。合宿地となった離島の館にたまたま客として来ていたのが剣持警部だった。

 第一の犠牲者が出たとき、剣持警部は老朽化した施設が原因の不幸な事故と片づけようとしたが、金田一は「これは事故なんかじゃない…! 殺人だ!!」と真っ向から反論。完全に本職の刑事としてのメンツをつぶされたカタチになったが、剣持警部は金田一の的確な推理を聞いて考えをあらため、取り調べを開始する。

 結局この事件は、金田一の活躍により真犯人を発見。一件落着したあと、剣持警部は「あいつ、たった一人で事件を全部解決しちまいやがった」と素直に称賛し、「金田一一、たいした“男”だぜ」と、まだ高校2年生にすぎない金田一一の能力を全面的に認めた。

 この剣持警部の金田一に寄せる絶大な信頼は、次の「異人館殺人事件」にも表れている。金田一を子ども扱いして話を聞こうとしない地方の俵田刑事に対し、剣持警部は「その金田一という少年にできるかぎり協力するんだ!」「お前らが十人集まったってそいつの足元にもおよばねえんだよ」と厳命していた。

 そして金田一のほうも「オペラ座館殺人事件」をきっかけに剣持警部のことを「剣持のオッサン」と親しげに呼ぶようになり、こうして金田一と剣持の奇妙なパートナーシップが始まった。

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