■インパクト最強のロマン武器「パイルバンカー」
トリを務める、個人的に最高のロマン武器が「パイルバンカー」です。『装甲騎兵ボトムズ』に登場する人型機動兵器アーマードトルーパー(AT)「ベルゼルガ」が用いる武器で、その名の通り、杭(パイル)を相手に打ちこむというもの。
装甲もろともパイロットを貫くという残虐性、見た目のインパクトという意味では、この武器にかなうものなし! 壁に押しつけたスタンディングトータスの頭をパイルバンカーで串刺しにしたシーンが印象に残っているファンも多いかと思います。
『ボトムズ』で生まれたこの豪快なロマン武器ですが、以後のロボット関連の作品にもたびたび似たようなものが採用されています。ゲームでは『スーパーロボット大戦』シリーズのアルトアイゼンの「リボルビング・ステーク」、『アーマードコア』シリーズの「射突型ブレード」などが有名ですね。
近年のロボットアニメでは『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のガンダムバルバトスが持つ「メイス」、グレイズアインの「腕部パイルバンカー」、それと少し機構は異なりますが『THE ビッグオー』のビッグオーが放つ「サドンインパクト」などにも面影を見ることができます。
このほかにもパイルバンカーに似た武器は、多くのアニメ&ゲーム作品に登場しますが、「当てるのに大きなリスクを伴うが、当たれば一撃必殺」というハイリスクハイリターンの武器であることが大半。クリエイターからもロマン武器の代表格として認知されているような気がします。
「V-MAX」のところでも少し触れましたが、現在サンライズのYoutubeチャンネルでは、高橋監督の代表作『太陽の牙ダグラム』と『蒼き流星SPTレイズナー』のアニメ動画が無料配信されています。さらに今年40周年を迎える『ダグラム』は、『機動戦士ガンダム サンダーボルト』の太田垣康男氏によるコミックがスタートしているので、高橋監督作品に少しでも興味を持った方は触れてみてはいかがでしょうか。
武器の設定を見て「そんな威力はありえない」「非効率」などの冷めた意見も聞きますが、個人的にそんな話はインパクトあふれるアニメ映像の前では大した意味はありません。シンプルに「すげえ!」「カッコイイ!」と感じるかどうかがロマン武器の醍醐味であり、それこそがロボットアニメ的な正義だと思っています。
今回紹介した3つの武装も悩みに悩み抜いた末に絞ったものなので、ロボットアニメ好きの皆さんの中にも「コレぞ!」というお気に入りのロマン武器があることでしょう。どんな点にロマンを感じたのかを語り合ったら、おいしいお酒がいくらでも呑めそうですね。