■生き残るだけでなく本当の幸せもつかんだ2人
続いて『機動戦士ガンダム00』シリーズに登場した「アレルヤ・ハプティズム」と「マリー・パーファシー」の2人を紹介したい。
『機動戦士ガンダム00』は、テレビシリーズ2期と劇場版が制作された作品。「武力による戦争の根絶」を提唱し、紛争に武力介入する「ソレスタルビーイング」という組織の活躍を描いたストーリーだ。
作中には「超兵」と呼ばれる兵士がいて、アレルヤとマリーはそれにあたる。超兵は超人機関で肉体強化や人体改造などを施された兵士のことで、脳量子波と呼ばれる特殊な脳波を操り、さまざまな能力を向上させられる。
アレルヤは、ソレスタルビーイングに所属するガンダムパイロット、通称“ガンダムマイスター”の1人。ふだんは穏やかな性格のアレルヤだが、脳改造の弊害で「ハレルヤ」という第2人格を宿し、人格が切り替わると残忍な性格に変貌する。
一方、マリーもアレルヤと同じ機関の出身の超兵で、幼い頃二人は仲が良かった。しかし、機関の都合によってマリーには別人格が上書きされ、「ソーマ・ピーリス」という人物にされてしまう。ソーマは超兵であることに誇りを持つよう調整され、軍人となった。
そのアレルヤとソーマが戦場で再会。アレルヤの必死の呼びかけにより、マリーだった頃の人格と記憶がよみがえる。こうしてソレスタルビーイングに赴いたマリー(ソーマ)は、最終的にアレルヤとともに生きると決めた。
超兵と呼ばれる一種の強化人間でありながら物語の最後まで生き抜いただけでなく、超兵同士の男女が結ばれるという『ガンダム』シリーズでも唯一の幸せな例である。