ベルトスクロールアクションゲームの名作で、5月にPS4版、Xbox One版も発売となった『カプコンアーケードスタジアム』にも収録されているカプコンのゲーム『天地を喰らうII-赤壁の戦い-』(以下・天地2)。
本宮ひろ志氏が1980年代に『週刊少年ジャンプ』で連載した漫画をベースとしたこのゲームは、1996年にプレイステーションとセガサターンへ移植されているが、それよりも、ゲームセンターに設置された、いわゆる「アーケードゲーム」として人気を集めた印象が強い。
三国志をテーマとしたゲームだが、ストーリーよりは『ファイナルファイト』タイプの痛快なアクションが売り。関羽、張飛、趙雲、黄忠、魏延といった蜀漢の英雄たちが、迫りくる魏の大軍を相手に暴れまくるという内容で、90年代の子どもたちを夢中にさせた。しかも上の5人のうち、関羽と張飛はなんと素手で大乱闘!
それぞれ使用武器の違いだけでなく、リーチや移動スピードが違ったりするので誰を使用するかを選ぶのもポイント。複数プレイ可能なゲームだったので、使い勝手の良い趙雲や、飛び道具が使える黄忠あたりがサッと相方に取られたりした。原作漫画『天地を喰らう』を手がけた本宮ひろ志氏の気合いの入ったキャラ造形の効果もあって、ゲームセンターでは一段と輝いていた作品だ。
■馬を降りたらなぜか素手
三国時代を象徴する合戦・赤壁の戦いは西暦208年の出来事である。この時代の中国では、すでに製鉄技術が浸透していた。それより前の漢代から鉄を作る技術が向上し、三国時代には名だたる武将が鉄の刀剣を……という小難しい史実の解説は、天地2にはいらない。
スタート時、プレイヤーキャラは騎乗した状態で武器を手に戦うことになる。関羽の場合はちゃんと名刀「青龍偃月刀(せいりゅうえんげつとう)」を所持している。ところが馬を降りた瞬間、青龍偃月刀までどこかに消えてしまう。以後、文武両道で知られた関羽は素手で敵兵を叩きのめすことになるのだ!
ちなみに馬を降りてから素手になるのは、なぜか関羽と張飛のみ。魏延、趙雲、黄忠はちゃんと武器を持っている。特に黄忠は遠距離武器である弓矢を所持しているから、彼が一番現実的な戦闘スタイルかもしれない。しかし、劉備の義兄弟でもある関羽と張飛にそんなものは不要だ!