■核攻撃は陽動にすぎなかった!?

 2つ目に挙げたいのは、先に少々触れた『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』でデラーズ・フリートが発動した「星の屑作戦」です。これは主人公たちと敵対する勢力デラーズ・フリートによる大規模作戦で、さまざまな思惑が複雑に絡み合う内容。一度アニメを見ただけだと、全容は把握しにくいかもしれません。

 同作戦内で“ソロモンの悪夢”ことアナベル・ガトーが、観艦式を行うために集結した連邦の艦隊を急襲。ガンダム試作2号機に搭載された核弾頭を撃ちこんだシーンはあまりにも有名です。見た目のインパクトもあって、これこそが「星の屑作戦」の最終目的と思われがちですが、実は違います。映像的なクライマックスシーンだったのは間違いないですが、作戦全体から見るとこれは陽動にすぎませんでした。

 ガトーの襲撃の裏で、デラーズ・フリートは移送中のスペースコロニーを強奪。当初は月に落下させる狙いかと思われましたが、途中で推進剤に点火。コロニーは地球への落下軌道に入ります。

 つまり「星の屑作戦」の真の目的は地球に対するコロニー落としであり、主人公コウ・ウラキらの所属するアルビオン隊は、独断でコロニー落下を阻止すべく行動します。しかし、奮闘も虚しくコロニーは阻止限界点を突破。地球に落下する大惨事となりました。

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