■ヒロインの凄惨すぎる死

 続いて紹介したいのが、和月伸宏氏による『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』での衝撃シーン。最愛の姉・巴を亡くし、その復讐に燃える雪代縁と、緋村剣心の戦いの最中に起こりました。

 

※以下の内容には『るろうに剣心』のコミックス24巻までの内容を含むキャラクターの生死に関するネタバレがあるので未読の方はご注意ください。


 剣心の繰り出した「天翔龍閃」を打ち破った雪代縁は、「これより真の『人誅』に入る」と宣言。今の剣心にとって「最も大事な存在」である神谷薫に狙いを定めます。

 そして乱入者が現れた混乱や煙幕で視界をさえぎったことに乗じ、薫を連れ去った縁。その後、剣心が見たのは左胸に刀が突き刺さったまま大量の血を流し、絶命している薫の無残な姿でした……。

 それも右ページは、剣心と同じ左頬に十字傷をつけられ、瞳孔の開いた薫の死に顔のアップ。左ページは壁にもたれかかるように絶命している薫の全身像が描かれたショッキングな見開きで、すさまじいインパクトがありました。

 しかもすぐに薫の葬儀シーンや、死を目の当たりにした剣心が廃人同様になる姿も描かれ、どんどんとツライ展開になります。

 のちに薫の死は偽装されたものだと判明しますが、当時連載を追いかけていた読者からすると「ヒロインの死」が及ぼした衝撃はすさまじく、いまだに忘れることのできないシーンです。

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