『ダイの大冒険』感動を与えてくれた好敵手、超魔生物ハドラーの「泣ける名シーン」4選の画像
『ダイの大冒険』感動を与えてくれた好敵手、超魔生物ハドラーの「泣ける名シーン」4選の画像

ドラゴンクエスト ダイの大冒険』(原作・三条陸氏、漫画・稲田浩司氏、監修・堀井雄二氏)は、1989年から96年にかけて『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された人気漫画。現在、二度目となるアニメも絶賛放送中だ。

 

※以下の内容には現在放送中のアニメより先の内容が含まれているので、気になる方はご注意ください。

『ダイの大冒険』には、大魔王バーンの配下の魔軍司令ハドラーという敵が登場する。彼は残忍で冷酷、かつ強大な敵として、主人公・ダイの前に立ちはだかる。しかし、ハドラーはたび重なる失態をおかし、魔王軍内に自らの地位を脅かすライバル・バランなどが台頭すると、焦りと動揺が隠せなくなる。

 残酷とはいえ、戦いにおいては武人らしく正々堂々としていたハドラーは、次第になりふり構わず卑怯な手も用いるようになり、そのうえダイに敗北を喫してしまった。

 もはや魔王軍での地位や名誉、己の生命すら不要と言い切ったハドラーは、魔族の肉体を捨てて“超魔生物”という怪物になることを選択。寿命が残りわずかになったとしても、勇者たちと最後まで戦う道を選んだ。

 そのハドラーの決意は超魔生物として肉体が強くなる以上に、精神面で飛躍的な成長を遂げた。かつて増長していた頃のハドラーの面影はなく、敵として戦ったアバンや、その弟子であるダイたちに対しても尊大な態度をとらなくなり、命が尽きるまで堂々たる戦いを繰り広げたのである。

 今回はそんな超魔生物となったハドラーが見せた、感動的なシーンを振り返ってみたい。

■ハドラー親衛騎団との絆

 ハドラー親衛騎団とは、大魔王バーンがハドラーに与えたオリハルコン製の5つの駒から作られた屈強な戦士たちのこと。それぞれチェスの駒に基づき、ポーン(兵士)、クイーン(女王)、ナイト(騎士)、ビショップ(僧正)、ルック(城兵)の5名で構成。最硬度のオリハルコン製の駒から作られているため防御力が非常に高く、ハドラ―の忠実な部下としてその力を発揮した。

 これまでも魔軍司令として魔王軍を率いてきたハドラーだが、そのとき指揮したメンバーはハドラーに絶対の忠誠を誓っていたワケではない。しかし、このハドラー親衛騎団は、その名の通りハドラ―のために戦う忠実な兵士であり、彼の良き部下、良き仲間でもあった。

 そんなハドラー親衛騎団も、ダイとその仲間たちの前に力及ばず、次々と打ち破られてしまう。それを知ったハドラーは親衛騎団に向けて、ねぎらいと感謝の言葉を独白する。

「おまえたちが一致団結して生命をかけてくれた事が、このオレが高みに立てた何よりの証に思えてならん」「最後の最後で…オレは部下に恵まれた…!!」

 そうつぶやいたハドラーは親衛騎団の想いに応えるべく、最後までダイに立ち向かう。その関係性は、強い絆で結ばれたダイたち勇者一行となんら変わらず、とても尊いものに思えた。

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