■映像美に感動! 1クールで心が洗われる名作

 続いて紹介するのは2018年に放送された京都アニメーション制作のアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(全13話+OVA)。

 同作の主人公は元孤児で戦場では「武器」として扱われ、戦うことしか知らなかった少女・ヴァイオレット。彼女が終戦後、義手をつけて手紙の代筆業に挑み、人の感情を理解しながら成長していくというストーリーだ。

 始めは無表情で淡々と指示をこなしていくヴァイオレットが回を追うごとに少しずつ自分の感情や意思を持っていく様子には、こちらも画面を通してつい優しい眼差しで見守ってしまう。

 同作の魅力といえばなんといっても、息を飲むほどの映像美。繊細に描かれたヨーロッパの郊外のような風景や、抜けるような空の色彩の美しさはアニメ界においても随一のものだろう。

 またストーリーも1話1話が丁寧に描かれており、どの人物の感情にも矛盾や違和感がないのでつい共感してしまう。いわゆる「捨て回」がないのだ。一般的には、余命いくばくもない母から娘に宛てた手紙を通して親子の愛を描く10話「愛する人は ずっと見守っている」の人気が特に高いが、どの回も心の宝箱にしまっておきたくなるような大切にしたい物語ばかり。「泣けるアニメ」として評判の名作アニメなので、一人で見ても大切な人と一緒に見ても楽しめるだろう。

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