■妻に隠れて食うコンビニグルメのうまさ
もうひとつ、漫画好き、特にグルメ漫画好きのムーディ勝山としてどうしても挙げたい作品が魚乃目三太さんの漫画『日曜日の背徳めし』です。
主人公は会社の重役である鴨志田稔雄。人間ドッグの数値が少し悪かったせいで、平日は愛する妻が作る減塩、低脂肪、低カロリーの食事ばかり。会社で食べる愛妻弁当を部下から羨ましがられるものの、鴨志田は週末になると抑えていたものがあふれ出してしまうのである。
「カロリーの高い、ジャンクな飯が食べたい……!!!」
日曜日の11時に決まって「ヨガ」に出かける妻。ヨガの後はお友だちとランチに出かける妻。妻が帰ってくるまでの“3時間”この時間に鴨志田は一週間溜め込んだ欲望を解放させるため走る……駅前のコンビニに!!!
会社で営業の部下が食べていたのを見て、どうしても食べたかった「カップ焼きそば」をカゴに入れて自宅に戻る。カップ焼きそば、助六寿司、6Pチーズ、ビールのロング缶を2本、買ってきたものを居間の机に並べる爽快感。湯を入れてカップ焼きそばがゆで上がるまでの時間は”魚肉ソーセージ”をつまみつつ、キンキンに冷えたビールを一口……。
「なんだこの美味さは!!!!!」
昼間妻に隠れて飲むビールの美味さは、悪魔的……! このビールや焼きそばを美味くさせているのが、妻に申し訳ないという”背徳感”であることは間違いないでしょう。鴨志田の日曜日の背徳めしの数々が、実にうまそうなんです。土曜深夜枠あたりでドラマ化されたら日曜の昼が鴨志田と同じくコンビニ飯になってしまうのは避けられないでしょう。
背徳めしは、週末にハメを外すシーンがあるので、ふだんは重役で雰囲気の堅さがある俳優さんにやっていただきたいですよね。となると、知名度と実力と重さを兼ね備えた、香川照之さんがベストでしょう。『半沢』の大和田常務が日曜日には奥さんが出掛かけた後に、コンビニでカップ焼きそばを買う。湯をそそいでゆで上がるまでの時間を魚肉ソーセージと缶ビールで待つ。そんな姿を想像するだけでニヤけてきます(笑)。
以上、グルメ漫画好きのムーディ勝山がドラマ化してほしい2作をご紹介しました。もちろんほかにもドラマ化にハマりそうな名作は山ほどありますので、そちらについてはまた別の機会に!