■「新しい時代を創るのは老人ではない!」
このセリフが出たのは『機動戦士Zガンダム』の最終話でのこと。ティターンズの艦隊に向けて、グリプス2のコロニーレーザーがまさに発射されようとしている中、コロニーレーザーの内部ではカミーユ・ビダンが、パプテマス・シロッコ、ハマーン・カーンらと激戦を繰り広げていた。
コロニーレーザーの発射が迫り、ファ・ユイリィやクワトロ・バジーナ(シャア・アズナブル)がカミーユに脱出を勧告するが、彼は聞く耳を持たない。このときカミーユはこの戦争を終わらせるため、自分が道連れになったとしてもシロッコとハマーンを倒そうと躍起になっていた。
そのとき、クワトロがカミーユに向かって言い放ったのが「君のような若者が命を落として、それで世界が救えると思っているのか」という痛烈なセリフ。さらに「新しい時代を創るのは老人ではない!」と力強く諭し、カミーユはコロニーレーザーから離脱した。
カミーユは自分を犠牲にしても強敵を倒し、世界の将来をクワトロに託そうとしていた。この時点のクワトロ大尉は20代後半で、10代のカミーユから見ても老人という年齢ではなかったが、自分より若い世代に対する言葉として「的確に響く表現」に感じられた。