ドズル、クワトロ、ブライト…ガンダムファンの心を引きつける「素晴らしき上官たちの名ゼリフ」3選の画像
画像はDVD『機動戦士Zガンダム 10』パッケージより引用

 1979年に放送開始となった『機動戦士ガンダム』は、40年以上も多くのファンに愛され続ける超人気コンテンツ。6月11日に公開された最新映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、公開3日間で興行収入5億円を突破する好発進を見せた。とくに宇宙世紀の『ガンダム』作品は戦争をモチーフに描かれているだけに、ロボットアニメながらたくさんの“大人たち”も登場する。富野由悠季氏が構築する複雑な人間ドラマは、同シリーズの大きな魅力と言える。

 その劇中には、子どもの頃は気づかなかった珠玉の名言も存在。とくに上官が部下にかけたセリフの真意を大人になってからあらためて気づかされることも多い。

 そこで今回は、もし自分が部下だったらついていきたくなる、ガンダム世界の素晴らしい上官たちの名ゼリフを紹介していこう。

■「操縦系を切り替え、私のところへ回せ」

 ドズル・ザビは『機動戦士ガンダム』の主人公のアムロたちと敵対するジオン公国軍の軍人だ。ジオン公国デギン公王の三男で、一年戦争時は宇宙攻撃軍司令を担ったジオン軍の幹部である。

 ドズルのいかつい顔と荒々しい言動から、子どもの頃は「恐ろしい敵キャラ」という印象だったが、大人になって『機動戦士ガンダム』を見返すと、ドズルが人間的にも軍人としても立派な人物だったことが分かる。

 ドズルのいた宇宙要塞ソロモンは、地球連邦軍の猛攻を受けた。いち早く危機を察したドズルは先に妻子や要塞内にいた女性をソロモンから脱出させ、自身は大型モビルアーマー「ビグ・ザム」に搭乗して最前線に出撃する。

 しかし、それでも不利な戦況はくつがえせないと判断すると、ドズルはソロモン要塞の防衛に固執せず、部下に脱出するように命令。さらにビグ・ザムに一緒に乗りこんでいた乗組員にも「(ビグ・ザムの)操縦系を切り替え、私のところへ回せ」「おまえらも各個に脱出しろ」と命じた。

 要塞指揮官であるドズル自らが、部下を離脱させるための時間稼ぎをすることに部下は反論しようとしたが、ドズルはその声をさえぎるように「ムダ死にはするな」「ビグ・ザムは私が預かる」と命じ、うむを言わせなかった。こうしてドズルだけが残ったビグ・ザムは地球連邦軍の艦隊に特攻し、散っていった。

 ドズルが部下に「操縦系を切り替え、私のところへ回せ」と言い放った一連のシーンは、自分の犠牲を覚悟した発言なのは明白。しかも上官命令として一切の反論を許さなかったことで、部下を道連れにすることなく撤退に導いた英断にも感動させられた。

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