いつの時代も多くの読者を魅了してきた名作少女漫画たち。今年はアニメ『美少女戦士セーラームーン』の25年ぶりの劇場最新作となる『美少女戦士セーラームーンEternal』が公開され、かつてのファンを喜ばせたが、1992年に放送された同作の「無印」と呼ばれるアニメ第1期の最終回は、セーラー戦士全員が死んでしまうという衝撃のラストを迎え、当時の視聴者を大きく驚かせたことで知られている作品でもある。
長年読み続けた漫画や、ずっと見ていたアニメの最終回は、ファンにとっては忘れられない大切な1話となる。ハッピーエンドはもちろん、どのようなショッキングな内容でも、大好きだった作品のラストのコマやセリフを今でもはっきりと思い出せるという人は少なくないはず。そこで今回は、「好きな少女漫画の最終回」について、30代から40代の女性300人を対象にアンケート調査を行った。さまざまな漫画について感想が寄せられた中、特に意見の集中した作品を紹介したい。なお、本稿では各作品の最終回の具体的な展開・ネタバレについては記載していない。(アンケートサイト「ボイスノート」調べ)
■全員が幸せな結末を迎える矢沢あい流最終回
まず9.0%の人から票が寄せられて第3位になったのは、矢沢あい氏による『天使なんかじゃない』。1991年から1994年まで『りぼん』(集英社)で連載されていた同作は、創立されたばかりの高校の生徒会を舞台にした青春ストーリーで、『ご近所物語』『NANA-ナナ-』で知られる矢沢あい氏の出世作でもある。
主人公・冴島翠と、ちょっと不良な生徒・須藤晃の恋をめぐる物語。連載初期からほとんど恋人同然となる翠と晃だが、晃は初恋の相手である兄の恋人を忘れることができず……。繰り広げられるさまざまな困難や人間関係に、二人がきちんとした恋人同士になれないまま、読者もヤキモキする展開が続いていく。最終回付近では、そんな二人の恋の結末だけでなく、マミリンとタキガワマン、文太とマコなどなど、個性豊かな生徒会メンバーたちの恋の行方が全員キッチリと描かれていく。
小中学生向けと言われる『りぼん』連載の少女漫画にもかかわらず、意外とドロドロしたリアルな心情描写もあり、今回のアンケートでも「せつないという感情を学んだ名作です」(37歳・女性)、「いつもハラハラしていました」(39歳・女性)、「みんなが幸せになれるよう祈っていた」(42歳・女性)といった声が寄せられた。その他、「ひたすらハッピーエンド。幸せオーラがたっぷり詰まった最終回でした」(41歳・女性)「一番記憶に残っている作品です」(34歳・女性)、「ご近所物語もラストがハッピーエンドだった。少女漫画のああいう最終回が大好きです」(40歳・女性)というコメントが寄せられた。