意外と哲学的?『ドラえもん』に『クレヨンしんちゃん』国民的ほのぼのアニメ・漫画に飛び出す“ギクリ”とする「胸打つ名言」3選の画像
画像はアクションコミックス『新クレヨンしんちゃん』第1巻(双葉社)

 ときに私たちをハッとさせるような多様な価値観やパワーを与えてくれるアニメや漫画。たとえば登場人物たちのセリフから、諦めない心や思いやりの心を学んだという人も多いだろう。

 命をかけた激しいバトルものや、青春を駆け抜けるスポーツものの中で飛び出す名言はもちろん、意外と心に残るのが子ども向け作品のほのぼのしたシーンで飛び出す名言。そこで今回は、多くの人が幼い頃から見ていた国民的ほのぼの作品に突然飛び出した「胸を打つ名言」を紹介したい。

■前向きになれる名言の多い『ドラえもん』

 まずは、1973年にアニメ1作目が放送され、現在も多くの視聴者に愛されている『ドラえもん』。藤子・F・不二雄氏による原作コミックにも名言が多く、その1コマを引用したグッズも多数発売されているが、今回紹介したいのは、生誕30周年記念作品となった2000年の映画『映画ドラえもん のび太の太陽王伝説』のワンシーン。

 同作は古代文明の太陽の王国を舞台にした作品で、のび太にそっくりな王子が登場する。王子は劇中でピンチに陥るのだが、そんな王子を救うためにのび太が言ったセリフが、「僕が味方したって大した戦力にはならないと思うけど、1+1は1よりも小さくなるなんて僕思わない。だって一人じゃないんだもん」というもの。

 けっして強くはないのび太の、優しさから生まれる強さを感じるセリフだ。なおこのあと、この言葉に心を打たれた王子自身も内面的に成長。のび太の打算のない素直な優しさが伝わった名シーンだ。

『ドラえもん』にはこのほかにも多くの名言が登場する。「なにかしようと思ったら、そのことだけに夢中にならなくちゃだめだ」「なやんでるひまに、ひとつでもやりなよ」など、おもにグータラなのび太をドラえもんが諭す際に使われたセリフだが、悩むよりも行動をすることが大切だというメッセージ性にギクリとしてしまう。

 また「目が前向きについてるのはなぜだと思う? 前へ前へと進むためだ!」というドラえもんの名言を目にしたことがある人も多いのではないだろうか。

 このセリフの元ネタはテストで0点を取ったのび太に、担任が明るく鼓舞したときのもの。コミックスではこの言葉を聞いたのび太がいたく感動し、しずかちゃんにも自信満々にこの話をするという展開が続く。しかしこれに対ししずかちゃんは「うしろについてたらかみの毛がじゃまだもの」とクールに言い放ったというオチがあることを知る人は少ないだろう。

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