■いろんな言葉が合いそうな84枚のカード
たとえばA君・B君・C君・D君、そしてあなたの5人で遊んだとしよう。
語り部のA君が自分のカードに「孤独なひとり旅」という言葉をつけて、自分のカードから一枚裏向けにして場に出した。あなたは自分の手札の6枚のカードから「孤独なひとり旅」に合いそうなカードを選出する。
84枚のカードはそれぞれ物語がありそうで、見ようによってはどれも「孤独なひとり旅」に見えてくるから面白い。たとえば、顔が時計になっている男が1人夜道を歩いているカードなんて、いかにも「孤独なひとり旅」だ。
そうして自分以外のメンバーも手札から1枚ずつ「孤独なひとり旅」を選んだら、それをすべてシャッフルして、選択番号を振りオープンする。これで各々が思う「孤独なひとり旅」が出そろった。さあA君が名づけた「孤独なひとり旅」カードはどれだろうか。
■親の性格も考えて答えを予想
カードがオープンされたら、それぞれがA君のカードを予想し投票する。結果は……右から2番目の「4番」のカード。
夕暮れの景色の中、全身葉っぱだらけの人間が杖をついて歩いているカード。これがA君の名づけた「孤独なひとり旅」のカードだった。それ以外は他のメンバーが出したニセのカードだ。
正解できたらポイントゲットとなる。そして面白いのが、もし他の誰かがこちらが出したカードに間違えて投票していたら、その分の点数ももらえるのだ。自分は正解してポイントを稼ぎつつ、いかに自分のカードでミスリードを誘うか、がこのゲームのカギになってくる。
これを繰り返し、ウサギの駒を進めていきゴールを目指すのである。
■カードの物語を読み、ゴールを目指す
パッケージに書かれた「一枚の絵は千の言葉に値する」というキャッチはまさにこのゲームにぴったりで、同じカードでもいろんな見方ができるため何度でも遊べる。それだけではなく『Dixit2』『Dixit3』と続編が発売されており、そのすべてのカードの裏面はすべて同じデザインで流用可能。つまり、どんどんカードを増やし拡張して遊ぶことができるのだ。
「このカードにそんなタイトルつける!?」
「よく見てみなよ、こいつの表情を!」
プレイ中のこんな会話も『Dixit』の醍醐味だ。さきほどの例題ではA君はだいぶシンプルな発想の持ち主だったが、もちろん素直ではない人の選ぶ言葉も面白い。ただ、親も抽象的すぎる言葉をカードにつけてもダメで、誰にも当ててもらえないと親はゼロ点になってしまう。簡単すぎず、難しすぎず、微妙なラインでセンスの良い言葉をカードにつけないといけないのだ。
そんなコミュニケーションを楽しみながら、ぜひ友達や家族とかけがえのない時間を過ごしてみてほしい。