ミノフスキー粒子、サイコフレーム、質量を持った残像…宇宙世紀ガンダム作品の「謎めいた超技術」3選の画像
『機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者』DVDパッケージより

 子どもの頃に『機動戦士ガンダム』を見たときは、カッコいいモビルスーツ同士が戦う宇宙戦争を描いたアニメという認識しかありませんでした。しかし、少しずつガンダムの関連書籍なども読みあさるようになり、宇宙世紀の成り立ちやモビルスーツの開発史などの設定を知っていくうちに、まるで現実の科学の進歩を見ているかのような“リアリティ”を感じました。

 昨年、本サイトが行った「変形機構がカッコいい80年代のアニメロボット」というアンケートでは、Zガンダム、ZZガンダム、ハンブラビ、ギャプランなどがランクインしていましたが、続編の『機動戦士Zガンダム』に登場した「可変機体」を見てモビルスーツの劇的な進歩を実感したファンは多いことと思います。

 そんなガンダムの世界に登場するさまざまな“新技術”はもちろんフィクションではありますが、しっかりとした設定と開発に至るバックボーンが存在することによって抜群の説得力を有します。

 しかし、なんとなくアニメを見ているだけだと、どういった技術なのか分かりにくい部分があるのも事実。そこで今回は宇宙世紀の主要なガンダム作品に登場した、個人的に気になった「超技術」について紹介したいと思います。

■宇宙に革命をもたらした新粒子

 戦闘開始前にブライト・ノア艦長が「ミノフスキー粒子、戦闘濃度散布!」などと命じる場面があります。この「ミノフスキー粒子」という言葉を聞いて、なんとなく「戦闘時に必要なものなんだろうなぁ」くらいのふんわりした認識だった方も多いのではないでしょうか。

 現実の戦争でも「チャフ」と呼ばれるレーダーを妨害するための物質を散布しますが、ガンダムに登場する「ミノフスキー粒子」は放射線すら遮断するチャフの一種として用いられ、戦場で敵軍のレーダーや通信などの機器を使用不能にするために使われました。

 しかし、ミノフスキー粒子のもたらした影響はそれだけでなく、そもそもモビルスーツが誕生した理由にもつながっています。本来、宇宙での戦争は宇宙戦艦同士による超遠距離からの砲撃戦が主流でしたが、ミノフスキー粒子を散布することによってレーダーや遠距離通信が使用不能に。これにより近距離での有視界戦闘が求められるようになります。

 そこで宇宙での有視界戦闘やコロニー内での移動にも適した機動力を持つ小型ユニットとしてモビルスーツが誕生。ジオン公国軍はいち早くザクを量産化させ、地球連邦軍との戦争において序盤は優位に立つことができました。そんなモビルスーツの動力源にも、ミノフスキー粒子の応用技術が用いられています。

 ちなみにミノフスキー粒子は「メガ粒子砲」「Iフィールド・バリア」「ミノフスキー・クラフト」「ミノフスキー・ドライブ」をはじめ、さまざまな新技術に応用され、のちの作品にも大きな影響を与えることになります。

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