■不気味な植物的デザイン

 最後に挙げたいのは、1991年に公開された映画『機動戦士ガンダムF91』に登場したモビルアーマー「ラフレシア」です。

 宿敵カロッゾ・ロナ(鉄仮面)が搭乗する「ラフレシア」は、その名のとおり巨大な寄生植物・ラフレシアを想起させるデザイン。バイオコンピュータの補助と脳波コントロールにより、まるで触手のような125本ものテンタクラーロッドを操ります。

 戦艦とも互角以上にわたり合えるメガ粒子砲を5門も完備し、Iフィールドジェネレーターによって防御も完璧。まさにラスボスにふさわしい強さでガンダムF91を追い詰めました。

 なお、この「ラフレシア」は有視界戦闘が基本。頭頂部のキャノピー越しに多数のケーブルにつながれた鉄仮面の異様な姿が拝めるという、なかなかに気味の悪い絵面……。

 赤い寄生植物風のモビルアーマーが、ウネウネと触手を飛ばしてくるのはかなり不気味で、あからさまに悪役っぽい鉄仮面にふさわしい機体デザインと言わざるを得ませんでしたね。

 ということで、今回は個人的に忘れられない個性派デザインの4機体を振り返ってみました。

「ザクレロが出てきてない」「ラフレシアよりもアッザムのほうが……」「ドクロをデザインに取り入れたクロスボーンガンダムが……」などなど、きっとガンダム好きの方ならいろんな意見があるかと思います。この機会に、初めて映像作品で見た際に「なんじゃこりゃ」と驚いた個性的なデザインの機体のことを思い出してみるのはいかがでしょうか。

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