『機動戦士ガンダム』シリーズの最新映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は5月21日から公開予定でしたが、緊急事態宣言の延長を受けて再度の公開延期が決定。状況を鑑みるとやむをえない事情ではありますが、がっかりしているファンも多いことかと思います。
その『閃光のハサウェイ』には「Ξ(クスィー)ガンダム」や「ペーネロペー」といった注目の機体が登場。やはりモビルスーツやモビルアーマーのようなメカの存在は、ガンダム作品の大きな魅力と言えるでしょう。
本サイトが昨年実施した「もっともデザインが好きなモビルスーツ」というアンケート調査では、νガンダム(機動戦士ガンダム 逆襲のシャア)が1位を獲得。登場機体のビジュアル面のカッコよさ、秀逸なデザインなどは、ガンダムファンの間でたびたび話題になるテーマです。
しかしそれとは逆に、初見のときに「なんじゃこりゃ!?」と感じた、超個性的なビジュアルの機体も存在。今回は、独特の見た目がとくに印象に残ったモビルスーツやモビルアーマーのほうを取り上げてみたいと思います。
……とはいえ、ガンダムシリーズの全作品を見渡すと、案外個性的な機体はたくさんあります。今回ピックアップするのは、あくまで私の主観によるセレクトということでご理解いただければ幸いです。
それと個人的には、まっ先に『機動武闘伝Gガンダム』の機体を推したいところですが、あの作品に登場する機体はヘンテコ……もとい独特な形状をしたモビルファイターのオンパレードなので、今回はあえて除外させていただきました。作品コンセプト自体、ガンダムシリーズの中でも一風変わっていますし、ヘタをすると『Gガンダム』の機体紹介だけで枠が埋まってしまいそうなので……。
■単体で超火力を誇る「動く武器庫」
まず最初にご紹介したいのは、1991年から92年にかけてリリースされたOVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する「ガンダム試作3号機“デンドロビウム”」です。
「デンドロビウム、カッコいいじゃん!」と思われる方も多いでしょうし、私もその意見に賛同します。しかし「拠点防衛用の機体」というコンセプトで開発されたデンドロビウムは、やはりガンダム作品の主人公機として見ると、異質なデザインと言わざるをえないでしょう。
本来、拠点防衛には複数の艦艇やモビルスーツをはじめ、それなりの戦力が必要なはず。それを1つの機体で実現しようとしたことにより、あのような強烈なデザインのメカが生まれたのかもしれません。
デンドロビウムの見た目は、まさに全身が武器庫といった感じで、超巨大なメガ・ビーム砲が目を引きます。そして、さまざまな武装が詰まった大型のウェポンコンテナや大型ブースターの中心に、通常サイズのモビルスーツ「ステイメン」がちょこんと収まっています。
カトキハジメ氏がデザインしたデンドロビウム、およびステイメンは、もちろんすごくカッコいい機体です。それは間違いありません。そのうえで“超攻撃型”というロマンを具現化した先鋭的なメカデザインは、すさまじいインパクトを与えてくれました。