■ヒゲガンダムがもたらした衝撃!

 お次は1999年から2000年にかけてに放送されたテレビアニメ『∀ガンダム(ターンエーガンダム)』に登場したモビルスーツ「∀ガンダム」です。

 故シド・ミード氏の手がけた「∀ガンダム」が初公開されたときのガンダムファンの反応は印象深く、「ガンダムにヒゲがついてる?」「背中にバックパックがない!?」などと大騒ぎしていたことを思い出します。私も友人から∀ガンダムの画像を見せてもらったときの第一印象は「なんじゃこりゃ」と言うのが率直な感想でした。

 ただアニメが始まると次第に∀ガンダム肯定派が増えていき、今では「アリ」という意見も目立ちます。私自身、最初に見たときは複雑な気持ちでしたが、『∀ガンダム』のアニメ自体の面白さもあいまって、今ではお気に入りのモビルスーツの1体になっています。

■どう見ても“乗り物”なモビルアーマー

 1993年から94年まで放送されたテレビアニメ『機動戦士Vガンダム』。同作のとくにザンスカール帝国の陣営には、奇妙な形状のモビルスーツやモビルアーマーが数多く登場。中でも極めつきだったのが「ガリクソン」という機体でした。

 前後に巨大なタイヤ、上部には巨大なビーム・キャノンを搭載したメカで、分類上はモビルアーマー。とはいえパイロットたちは、自称“バイク乗り”と言っていたように、ビジュアルは完全に“巨大なバイク”です。

 Vガンダムを窮地に追いこんだ強い機体ですが、個人的には「なんでバイク?」という疑問が最後まで拭えませんでした。

 作中ではこのモビルアーマー「ガリクソン」で得たデータを元に作られた巨大バイク戦艦「アドラステア級」が、その大きなタイヤで地上のすべてを踏みつぶしていく「地球クリーン作戦」を実行。これはガンダム史に残る、とんでもない作戦の1つに挙げられると思います。

 ちなみに「ガリクソン」を見たときに覚えた違和感は、『機動戦士ガンダムSEED』に登場した四脚の動物型モビルスーツ「バクゥ」にも感じました。この感覚、なんとなくお分かりいただけるでしょうか。

  1. 1
  2. 2
  3. 3