■炭治郎のツラさにあらためて同情する声

 第2位は12.7%の得票率で吾峠呼世晴氏の漫画『鬼滅の刃』(集英社)が選ばれた。昨年は劇場用アニメ『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』も公開となり、社会現象を起こした同作は、鬼に家族を殺された主人公の炭治郎が、唯一生き残ったものの鬼に変えられてしまった妹の禰豆子を人間に戻すために鬼と戦っていく物語。再生力も戦闘力も高く、人間よりも圧倒的に強い鬼を倒すため仲間とともに切磋琢磨する炭治郎だが、志半ばで命を失ってしまう仲間も少なくない。

 選んだ人からは「家族みなが亡くなってしまい、唯一残った妹は鬼になってしまったから。炭治郎の立場だとつらい」(36歳・女性)、「家族が惨殺されたり仲間が殺されたりするから」(32歳・女性)、「那田蜘蛛山の場面ですでにみんな死にかけているから」(26歳・女性)と、生物として人間よりもはるかに強い鬼への恐怖を語るコメントが届いていた。また「いつ終わるか分からない、数百年も続いている鬼との戦いに向かっていくのは大変そう」(39歳・女性)、「鬼狩りになってもいつも狙われ続けるのはつらい」(34歳・男性)と、あらためて炭治郎や鬼殺隊はどれほど大変なのかということをしみじみと感じさせるコメントが寄せられた。

 しかし『鬼滅』の世界では、実は鬼の存在そのものの認知度はそれほど高くないことが明かされている。加えて、鬼殺隊は政府非公認の組織で、鬼に肉親を殺され入隊する人が多いという鬼殺隊の人たちは、孤独な戦いを続けている。影で活躍している彼らのおかげで、一般の人たちの暮らしはそこまで苦しくはなさそうだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3