■実の親子以上に親子のような師弟関係!?
●ピッコロ＆孫悟飯
『ドラゴンボール』の師弟を語るうえで、やはり外せないのがピッコロと孫悟飯の関係だ。孫悟空の息子である悟飯は、ナッパとベジータという２人のサイヤ人が地球を襲来するのに備えて、ピッコロが修行をつけることになる。
先に地球に現れたサイヤ人・ラディッツとの戦いで死亡した悟空。その一連の戦いの中でピッコロは、幼い孫悟飯が秘めた、恐るべき潜在能力を目の当たりにする。また、その戦いで父親の悟空が死んだ（のちにドラゴンボールで復活するが……）こともあるが、ピッコロによると甘い性格の悟空は師匠には向かないとのこと。ともあれ１年後に訪れる地球の危機に備えて、ピッコロによる悟飯の修行が始まった。
当初は、無理やりつきあわされたカタチの悟飯だが、次第にたくましく成長。ピッコロの修行は悟飯を厳しいサバイバルに突き放したように見えて、しっかり影から見守っており、意外なまでの面倒見の良さを感じた人も多いことだろう。
そんなピッコロとの修行を経て、１年足らずで１人の戦士に成長した悟飯。サイヤ人のナッパとの戦いでは最初はビビっていたが、戦いの中でピッコロやクリリンと共闘できるまでになった。
それでもサイヤ人の強敵には力及ばず、ナッパの攻撃が悟飯に向かったとき、師匠であるピッコロが悟飯の前に立ちふさがる。そしてピッコロは弟子の悟飯をかばい、致命傷を受けるのだった。
「悟飯、オレとまともにしゃべってくれたのはおまえだけだった」「きさまといた数か月、わるくなかったぜ……死ぬなよ、悟飯」とピッコロが語りかけ、涙を流しながら死んでいくシーンは、『ドラゴンボール』における最高に感動的なシーンとして記憶している人も多いのではないだろうか。
その後生き返ったピッコロと悟飯の関係性は、師弟というよりまるで親子のようだった。とくにそれが顕著だったのが人造人間セルとの戦いでのこと。
父親の悟空は、悟飯がセルに一方的に痛めつけられるのを間近で傍観し、怒りによって真の力を覚醒させようとする。しかし、あまりにも無慈悲な悟空の作戦にピッコロは猛反発。「悟空……きさまはまちがっている……」「悟飯はきさまのように闘いが好きじゃないんだ！」と悟飯の身を案じ、気持ちを代弁する。そのときばかりは悟空よりもピッコロのほうが本当の父親のように思える１シーンだった。
また、セルゲームが始まる直前、父親の悟空と「精神と時の部屋」から出てきた悟飯が、師匠であるピッコロにおそろいの服をねだったシーンもほほ笑ましかった。
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