『シティーハンター』冴羽リョウ「珠玉の名言」3選、少年ジャンプ史に残る「もっこり男」究極のダンディズムとは?の画像
画像はゼノンセレクション『シティーハンター』第1巻

 1985年から91年まで『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された、北条司氏の名作漫画『シティーハンター』。30年以上前に発表された作品ながらファンは多く、今年8月7日からは宝塚歌劇版ミュージカル『CITY HUNTER -盗まれたXYZ-』が公演される。

 そんな人気漫画『シティーハンター』の主人公と言えば、スゴ腕のスイーパー(掃除屋)の冴羽リョウ(漫画では、けものへんに「僚」のつくり)。法で裁けない悪を撃つ、実に頼もしい男だが、ふだんは「新宿の種馬」「もっこり男」などと呼ばれるほど無類の女性好きで、おちゃらけた言動が目立つ。

 しかし、そのリョウがときおり見せる真剣なまなざしや、男らしいセリフにグッとくるファンは多いはず。そこで今回は、筆者の心にとくに響いた冴羽リョウの名ゼリフを紹介したい。

■香の兄「槇村秀幸」への別れの言葉

 冴羽リョウの相棒である香の兄・槇村秀幸。もともと槇村はリョウの相棒だった男で、特殊な麻薬「エンジェル・ダスト」を打たれて超人的な力を得た男の手により、命を落とすこととなった……。

 実は槇村と香の間に血のつながりはなく、槇村は香の20歳の誕生日に出生の秘密を告げ、香の母親が残した形見の指輪をわたすつもりだった。しかしその槇村の想いはかなわず、瀕死の状態でリョウのところにたどりついた槇村は、「香を……頼む」とリョウに妹を託して死んでいった。

 そしてこと切れた槇村の体を抱きかかえたリョウが返したのが次のセリフだ。

「しばらくの間、地獄はさびしいかもしれんが、すぐににぎやかにしてやるよ……槇村」

 この言葉を告げたときのリョウの表情は一見穏やかにも見える。しかし、その後リョウが行った麻薬密売組織に対する激しい攻撃を見れば、どれだけ怒りをこらえていたのか察することができるだろう。

 言葉だけ見るとリョウらしいひょうひょうとした別れのセリフではあるが、その裏側に強い悲しみと明確な復讐の意志がこもった重い言葉だと感じた。

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