■ひたすら視覚的に気持ち悪い「泥」に「人食いモナリザ」

 23巻「泥」では、亡くなった親友を生き返らせるため、泥で人形を作る生徒が登場する。骨を埋め込んで作った親友のゴーレムは学校を泥で覆い、不完全な体を本物の体にするために肉を欲して学校中のクラスのペットの小動物を食べてしまうのだが、この様子がとてもグロテスク。抵抗できないままに死んでいった動物たちがかわいそうでならない。

 同様に『ぬ〜べ〜』では動物が犠牲になることが多く、 宇宙人のような見た目の「クリッター」の話では野犬が食いちぎられ腸をすする様子が描かれたり、5巻の「人食いモナリザの謎」では、犯人こそモナリザではなかったものの学校のウサギが犠牲になってしまう。岡野剛氏による強烈な作画は後の漫画にも影響を与えており、『進撃の巨人』の諌山創氏はインタビューなどで、巨人のビジュアルのモデルが「人食いモナリザ」だと語っている。

 また、視覚的に気持ちの悪いエピソードといえば、14巻の「寄生虫」も忘れてはならない。給食中に生徒の口から巨大な芋虫が飛び出したり、全身にミミズが這ったり、体の内部を食い破って虫が現れるなど、こちらもトラウマもののエピソードとして有名だ。

 以上、『ぬ〜べ〜』の中でも特に怖いエピソードを紹介。終盤にかけてはギャグやお色気ネタが目立つようになったが、今でもホラーエピソードのセリフや絵をハッキリと思い出せるという人も少なくないのではないだろうか。

 なお現在隔月刊誌『最強ジャンプ』では続編にあたる『地獄先生ぬ~べ~S』が連載中で、童守町を舞台に、妖怪、霊、都市伝説のトラブルに鵺野鳴介が立ち向かう。当時、同作の怖さに震えたという人は手に取ってみてはいかがだろうか。

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