1993年から1999年まで『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載されていた、原作担当の真倉翔氏と作画担当の岡野剛氏によるホラー漫画『地獄先生ぬ〜べ〜』。左手に「鬼の手」を持つ霊能小学校教師・鵺野鳴介が、学校や町内に現れる妖怪を退治するというストーリーで、基本的には1話で完結する構成。1996年から1997年には土曜日夜の時間帯でテレビアニメも放送。FEEL SO BADの歌う主題歌『バリバリ最強No.1』やB’zの『ミエナイチカラ 〜INVISIBLE ONE〜』を今でも口ずさめるという人も多いのではないだろうか。
ギャグやお色気要素もあるバラエティに富んだ作風の『ぬ~べ~』だが、メインとなるホラー要素が油断ならない怖さ。中高生読者はさほど怖さを感じなかったかもしれないが、物語の舞台が小学校だったため、当時の小学生読者の中には妖怪や悪霊たちの描写に震えた人も多かったはず。
そこで今回はコミックス全31巻の中でも、トラウマになった『ぬ〜べ〜』の話を厳選。その怖さの理由をひもとこうと思う。
■開いてびっくり!ページドッキリ系
まず『ぬ〜べ〜』の醍醐味ともいえるのが、ページを開くとドーンと怖い妖怪がアップで描かれるドッキリ系演出。2巻収録の「散歩する幽霊」はその最たるものといえるだろう。
これは学校で噂になっている花子さんの正体が、実は戦時中に空襲で死んでしまった女の子の霊だったというストーリーで、ぬ〜べ〜が鬼の手で癒すことで彼女は無事に成仏した。しかし事態が解決したかに思えたラストで、安心した生徒がトイレを開けると1ページをまるまる使って「あかないよおお」とド迫力の形相の別の花子さんが現れる、というものだ。
安心した次の瞬間に驚かされるという演出は『ぬ~べ~』の鉄板。6巻の「赤いチャンチャンコの巻」や22巻の「見たら死ぬ!海難法師の巻」でも同様の演出がとられ、そのあまりに怖いビジュアルがトラウマになった読者も多いのではないだろうか。