■もしかしたら私の元にも…実際に起こりそうな都市伝説

 15巻収録の「ブキミちゃんの巻」も『ぬ~べ~』最恐エピソードのひとつ。生前から意地悪な性格だったブキミちゃんは、話を聞いた人の夢の中に現れ自分のハーモニカを探させるゲームを強要。道を間違えたりして達成できなかったら命を奪うという「遭遇すると逃げられない」キャラだ。あまりにストーリーが怖すぎて必死に道順を覚えた人も多いのではないだろうか。ブキミちゃんの見た目もうねった黒髪に鬼のような醜い顔、バランスが悪いほどあまりに大きい頭が印象的で怖すぎた。絶対に会いたくない霊である。

 なおエピソードの最後では、ぬ〜べ〜が現実世界でブキミちゃんの遺品であるハーモニカを発見し、こもった怨念を浄化。心の底から安心したものだ。

 こうした都市伝説エピソードも『ぬ~べ~』では人気で、コミックス3巻に収録される「てけてけの怪の巻」では電車にひかれ体を上半身と下半身に真っ二つになって死んだ霊“てけてけ”が、噂話の念の強さによって成仏できずにいるというストーリーが展開。

 ぬ〜べ〜の助言によって成仏したかに見えたが、実はまだ消えておらず、ラストで噂を流していた犯人の不良を襲った。最後のコマでは血まみれのちぎれた足とともに「この話を読んだあなたも早く忘れた方がいい さもないと今夜あたりあなたのもとに……」という不気味な一文が書かれ、自分のもとにもてけてけが来るのではないかという恐怖心をあおった。

 27巻の「メリーさんの巻」もトラウマエピソードとして知られている。これは前後編でじっくりと描かれたストーリーで、ひどいいじめが原因で自殺した少女が悪霊と化し、標的に手足のない人形を渡して1週間以内になくなった部位を見つけるように命じるというもの。達成できなかった場合は標的からそのパーツを引きちぎるという怖すぎる霊だ。

 メリーさんはたびたび現れ、標的の生徒・法子に火事の幻覚を見せ、救助袋で避難しようとするところを中で待ち構えたりと、その神出鬼没さにはページをめくるたびに震えが止まらなかった。ぬ〜べ〜でも除霊することのできない強キャラクターだったが、そもそもメリーさん以前に手足のない人形のビジュアルが怖すぎた……。

  1. 1
  2. 2
  3. 3