■友軍モビルスーツを撃墜した罪
映画『逆襲のシャア』において、ハサウェイが犯した最大の罪はやはり味方のモビルスーツを撃墜した点に尽きるだろう。
無断拝借したジェガンに乗ったハサウェイは、戦場でクェスと再会。ハサウェイが必死の説得を試みる中、リ・ガズィに乗ったチェーン・アギが現れる。チェーンからすると、クェスが乗る敵軍の巨大モビルアーマー「α・アジール」を危険視するのは当然であり、近くにいるハサウェイの身を案じて攻撃を開始したのも必然だろう。チェーンには何の落ち度もない。
そしてチェーンが乗るリ・ガズィの放ったグレネードランチャーはクェスのα・アジールを直撃。クェスはハサウェイのジェガンをかばうように遠ざけた上、爆散した。
このときクェスの死を目の当たりにしたハサウェイは逆上し、ジェガンのビームライフルを乱射。自分を助けに来た友軍であり、アムロの恋人でもあるチェーン・アギが乗るリ・ガズィのコクピット付近を撃ち抜いたのだった。
ロンド・ベルの使命は、シャアがもくろむ地球寒冷化作戦の阻止であるのは言うまでもない。そのアクシズをめぐる重大な局面において私的な理由で戦場に赴き、友軍の優秀な人材を殺した罪は極めて重いと言わざるをえない。