5月7日から公開予定だった映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で公開日が5月21日に変更となった。公開を心待ちにしていたガンダムファンにとって残念なニュースではあるが、やむをえない状況でもあるので、あらためてハサウェイのことをおさらいする時間ができたと前向きに捉えよう。
『閃光のハサウェイ』は、ブライト・ノアの息子であるハサウェイ・ノアが主人公。そのハサウェイが最後に登場した映像作品と言えば、“シャアの反乱”を描いた劇場映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』となる(小説版はクェスの死にまつわる部分など映画『逆襲のシャア』の内容と異なる部分がある)。
この映画を見た多くの人は、劇中のハサウェイの行動に対して「最悪」の印象を抱いたのではないだろうか。映画『逆襲のシャア』の中で当時13歳の少年だったハサウェイが犯した3つの罪をあらためて振り返ってみたいと思う。
■ロンド・ベルの旗艦にて密航した罪
ハサウェイ・ノアの犯した最初の罪は、サイド1を発とうとするロンド・ベルの旗艦「ラー・カイラム」に無断で潜入したことが挙げられる。
ハサウェイがひそかに好意を抱いた少女クェス・パラヤは、ロンデニオンで偶然出会ったシャア・アズナブルにひかれ、ネオ・ジオン陣営に身を投じる。それに納得のいかないハサウェイは、クェスを追いかけるため無断でラー・カイラムに乗りこんだ。
父・ブライトの前でウソ泣きをして潜入タイミングをはかり、用意していた作業ロボットでラー・カイラムの下部ハッチから侵入。あらかじめラー・カイラムの図面を研究する用意周到ぶりで、13歳の少年とは思えない行動力を見せた。
もちろん、この密航はすぐにラー・カイラムのクルーにバレて、父・ブライトからは平手打ちを食らう。それでもハサウェイは、ブライトとアムロの前で「クェスを取り戻すんです」と力強く宣言した。
父であり艦長であるブライトから平手制裁と艦内に軟禁されただけで済み、のちに通常ブリッジに入ることも許可されたハサウェイ。この密航に関しては大した罪に問われなかったが、のちのハサウェイの問題行動へとつながっていく……。