![スーパーファミコン『スーパーフォーメーションサッカー』縦画面の画期的サッカーゲームにあった「2-3-5」の謎の画像](https://futaman.ismcdn.jp/mwimgs/7/2/728w/img_72ed888cf517e4a78422d54ee994d41c492450.jpg)
4月27日に発売31周年を迎えたHUMANによるPCエンジンソフト『フォーメーションサッカーヒューマンカップ‘90』。縦方向からの見下ろし画面を採用した他にはあまり見ないゲームスタイルで、翌年スーパーファミコン用に発売された『スーパーフォーメーションサッカー』で強固な知名度を確立するようになったサッカーゲームだ。
同シリーズは、タイトルの通り「フォーメーション」の編成が勝敗の鍵を握るという画期的なシステムも特徴。今でこそ当たり前だが、この時代のサッカーゲームにはまだフォーメーションの概念が定着していなかったのだ。
■「2バック」は実在したフォーメーション
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スーパーフォーメーションサッカーは、試合前とハーフタイムにさまざまなフォーメーションを設定することができる。「4-4-2」や「4-3-3」といった選択肢の中から敵陣のフォーメーションに合わせてこちらのフォーメーションを選ぶのだが、当時少しサッカーをかじっていたような子どもの中には、選択肢として用意された「2-3-5」という不思議なフォーメーションに違和感を感じた人も少なくなかったに違いない。「2-3-5」とは、言い換えれば「2バック5トップ」である。
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スーパーフォーメーションサッカーが発売された1991年当時ですら、ヨーロッパのサッカーでは既に4バックが導入されていた。現代のサッカーでもし2バックなど用いれば、まさにザルに入れた水のごとく大量得点を挙げられるに違いない。サッカーを習っている子どもは「なんで2バックなんだ!?」と画面に向かって突っ込んでいたはずだ。
しかし、かつてのサッカーは2バックが主流だったのだ。
19世紀、サッカーのフォーメーションは「2-3-5」のいわゆる「Vフォーメーション」で競うものだった。この時代、オフサイドは2人制ではなく3人制で、守る側にとっては2人のDFでも十分に対処できた。ところが、1925年のルール改正でオフサイドが2人制になると、状況は大きく変化。たった2人のDFでは、まるで太刀打ちできなくなったのだ。