■庵野監督作品に登場した異様なメカ

 方向性は変わりますが、別の意味で驚いたデザインだったのが、庵野秀明氏が監督を務めたOVA『トップをねらえ!』(1988年~1989年リリース)の「バスターマシン3号」です。

 マシンとしてナンバリングされていますが、ぶっちゃけコレ単なる爆弾なんですよね。ただしそのスケールは半端じゃなく、ぎゅうぎゅうに凝縮した木星を取りこんでいて、その力でブラックホールを作り出し、敵集団ごと消滅させるというとんでもない代物。

 いくら凝縮しているとはいえ木星を取りこんでいるだけあって、とてつもない大きさです。しかもカタチとしては楕円形の球体で、ロボットっぽさは皆無。これに主役級の「バスターマシン」の名前をつけてしまうあたりに、庵野氏の非凡さがうかがえます。そんな“背景”も含めてのメカデザインとして、とても印象に残っている機体ですね。

■奇抜なデザインで思い出すのは…!?

 さて、時代は逆行しますが、昔のロボットアニメというのは奇抜なデザインのものが多かった印象です。とくに1970年代~80年代の作品は個性派のオンパレードといった感じ。そんなロボットの中で推したいのは『超合体魔術ロボ ギンガイザー』です。

 超常魔術団という“超能力魔術”を使うチームが操るロボット「ギンガイザー」が主役ロボ。超能力なのか魔術なのか、そのあたりもツッコミどころなのですが、ギンガイザー自体のデザインや戦い方も一度見たら忘れられません。

 “魔術”と聞くと、魔法的なものを思い浮かべる方が多いことでしょう。しかし、ギンガイザーが放送された1977年当時は、まだファンタジー要素が理解されにくい時代。実はこの“魔術”とは、手品のほうの“マジック”がモチーフなのです。

 そのためギンガイザーはトランプをばらまいたり、人体切断マジックに使用する回転ノコギリで敵をぶった切ったりします。いや、それでぶった切っちゃマズいんですけどね、本当は……。

 技の名前もインパクト大で、その名も「超常スマッシュ」。すげえぜ、ギンガイザー! このような、ある種の暴走っぷりが逆に評価され、なんと2010年代になってからスピンオフアニメやゲームが制作されるなど、異例の展開にも驚かされました。

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