■90年代『りぼん』を代表する甘くて苦い彼とのラブストーリー
続いて第2位となったのは、『りぼん』(集英社)にて1992年5月号から1995年10月号まで連載された吉住渉氏による漫画『ママレード・ボーイ』。
主人公の小石川光希と松浦遊。ひょんなことからお互いの両親が離婚し再婚し合い、2家族が同居するという、かわいらしい絵柄からは想像のつかない衝撃の幕開けで始まる。一緒に生活する中で次第に引かれ合う光希と遊は、両親たちには内緒で恋仲となり愛を育んでいくが、ある疑惑が生じ2人の関係に危機が訪れる……。素直で明るく、真っ直ぐな性格の光希。文武両道、容姿端麗、誰もが憧れる遊。甘酸っぱくも苦い2人の関係性は、多くの“りぼんっ子”の心をわしづかみにし、今もなお愛され続ける作品だ。
『ママレ』で忘れてはいけないのが、光希たちの担任、名村先生と光希の親友、茗子のせつないラブストーリー。少し大人で、何よりもピュアな2人の恋に涙した読者も少なくないだろう。
1994年から1995年にかけて、朝日放送と東映動画の共同制作によるテレビアニメが放映された。日曜朝8時30分枠で放送されていたが、その内容から年齢層の高い視聴者も多く幅広い世代が作品を楽しんでいた。当時、ロボット型のボイスメモや電子手帳などの関連オモチャが発売されていたのを覚えている方もいるのではないだろうか。また、濱田理恵による主題歌『笑顔に会いたい』も、名曲として人気だ。
当時の視聴者からはこんな声が寄せられている。「ドキドキ甘酸っぱい少女漫画を見たい。昔見ていたのが小学校低学年であまり意味が分からなかったので、大人になった今もう一度見てみたい」(34歳・女性)、「当時アニメ放送されていたのを見ていたが、内容がうまくつかめていなかった。今なら感情の部分がもっと理解できる気がするから」(35歳・女性)。
大人になった今だからこそ、もう一度見たい作品『ママレード・ボーイ』。その後を描いた『ママレード・ボーイlittle』も合わせて映像作品で見てみたい。